阪神 森下V撃で日本一王手 七回エラーで失点→八回魂の2点三塁打「取り返したい思いしかなかった」
「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース6-2オリックス・バファローズ」(2日、甲子園球場)
日本一に輝いた「11・2」のメモリアルデーに大逆転勝利で王手をかけた。「SMBC日本シリーズ2023」の第5戦が行われ、阪神がオリックスに逆転勝ち。八回1死二、三塁から森下翔太外野手(23)が左中間を破る2点適時三塁打を放ち逆転に成功。打者一巡で一挙6得点の猛攻を見せ、38年ぶりの悲願に向けてあと1勝に迫った。4日に行われる第6戦に勝てば、岡田監督がリーグ制覇時に続き、再び宙に舞う。
1985年11月2日。38年前のこの日、阪神は日本一をつかみ取った。記念すべきこの日にまばゆい光を放ったのは黄金ルーキーだ。森下が大一番で大仕事をやってのけた。大歓声で揺れる聖地。三塁ベースを何度もたたき、喜びを爆発させた。
「取り返したい思いだけしかなかったんで。感情が出ました」。やるしかなかった。七回2死一塁で森のゴロを後逸した中野のカバーに入るも、自身も失策。ダブルエラーで2点差に広げられてしまった。「エラーした後も聖也さん(木浪)とか熊谷さんとかいろんな人が声かけてくれて。『声出しとけば必ずチャンスで回ってくるからって』」。その言葉通りだった。
1点差に迫った八回1死二、三塁。初対戦の宇田川に対し、打席に入る前、スコアラー、坂本、大山らからの情報を頭に入れて打席に向かった。「フォークと真っすぐだけを」とカウント2-2から右腕の152キロ低め直球を最後は左手一本ですくい上げた。「なんとか同点にまず持っていくために、食らいついて頑張りました」。左中間を破る逆転の2点適時三塁打に。大歓声も聞こえないほど集中していた。
「俺はできる」。幼い頃から勝ち気な性格だった。小学生の頃にも「活躍するのが大変なだけで、プロ野球選手には普通になれるんだよ」と言ってのけた。ビッグマウスなだけではない。それをちゃんと実現してみせるのだ。できると思えばできる。そんな信念の強さが、大舞台でも形になって表れた。
この一打で球団新人最長となる日本シリーズ3戦連続打点を達成。他球団では東海大相模の先輩である巨人・原が81年に記録して以来の快挙となった。さらに日本シリーズ通算5打点は62年藤井栄治と並ぶ球団新人最多タイ。「打点にはシーズン前からこだわってきてたので、日本シリーズの一発勝負で、勝ちをもたらす点を取れたのは良かった」と胸を張った。
自身のバットでついに日本一に王手をかけた。それでも森下に浮かれる様子はない。「欲を出したら相手にのまれると思うので。欲は出さず、絶対にいいピッチャーなので、基本に忠実に一戦必勝でやっていきたい」。森下の勝負強さが、38年ぶりの頂点へ導く。
◆日本一確率85%! 過去73度の日本シリーズで先に王手をかけた球団のうち、85%にあたる62球団が日本一に輝いている。また、3勝2敗(引き分けがあるケースを含む)となったのは過去46度あり、リードしたチームで約76%に当たる35球団が日本一となっている。
◆歴代2位タイ!日本シリーズ新人連続試合打点 森下が、日本シリーズ出場のNPB歴代新人2位タイとなる3試合連続打点。1981年の巨人・原辰徳(第4~6戦)以来、42年ぶりの快挙となった。さらに最長記録は62年の東映・岩下光一(第3~6戦)の4戦連続とあり、今シリーズ第6戦で森下がNPB新人最長タイ記録に並べるか注目される。
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