阪神・岡田監督行きつけの店で勝利の美酒を!店主は虎OB中谷さん「監督さまさまよ。優勝特需やな」
「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース4-5オリックス・バファローズ」(31日、甲子園球場)
59年ぶりとなる関西シリーズの周辺や裏側を探る企画。今回は阪神・岡田監督が通う店として知られる兵庫県西宮市の居酒屋「KENPEI」の店主で、阪神OBの中谷賢平さん(68)が指揮官への思いを語り、球場に入れなくても応援するファンの気持ちも代弁した。
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10月28日、日本シリーズ第1戦開始前の午後6時ごろ。神戸、大阪、西宮…。入場券を入手できなかった阪神ファンが居酒屋「KENPEI」に集い始めた。ほどなくカウンター10席と1つのテーブルは全て埋まった。
中谷さんはテレビ中継を見る暇もない。一喜一憂する客の姿を横目に動き続けた。「試合がある日は忙しいね。ほんまに監督さまさまよ。優勝特需やな(笑)」。2、3戦目も盛況。3戦目は定休日だったが店を開けた。
岡田監督と現役時代は重なっていないが、付き合いは40年以上。「俺は岡田派。監督は店に来たら気さくに話してくれるから、うちのお客さんはみんな岡田ファンや」。指揮官の素顔を知るからこそ、阪神の日本シリーズ進出を心から喜び、安堵(あんど)した。
忘れられない日がある。「2008年10月20日やなあ。飲み明かしたで」。岡田監督の第1次政権が終戦となったCS第1ステージ第3戦・中日戦後。店内で数人の親しい知人と慰労会を開催し、岡田監督と朝方まで盛り上がった。「すっきりした表情が印象的やった。オンとオフがはっきりしてる性格やしな」。V逸の責任を取って潔く退任した決断に、またひかれた。
あれから15年。岡田監督の古巣への思いは何度も耳にしてきた。「試合を見て、よくぼやいてたなあ。今年は店で言うてたことをちゃんとやっとるよ」。ただ、今季の結果は想像以上だった。「優勝は来年かなと思っとったけど、さすがやな」と驚きを隠さない。
岡田監督にとってグラウンドを離れている時期も、変わらずに接してくれた中谷さんは欠かせない仲間の一人だ。今春沖縄キャンプ移動前日の1月30日。自ら車を走らせ、監督就任記念品を届けた。リーグ優勝決定後も、忙しい合間を縫って店に足を運んでいる。
「律義な男やで。優勝が決まった後は疲れているのにな。来てくれてうれしかったで」と中谷さん。岡田監督が来店時、店内の壁に書いてくれたサインをうれしそうに眺めた。
「うちのお客さんは『監督の采配は安心して見られる』『生え抜きで勝ってくれるとうれしい』『さすが、監督は頭がええわ』って言うてるで」。熱烈な岡田ファンが集まる店内は、今年一番の盛り上がりを見せている。
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