阪神・中野 これぞセ界最多安打男 奮闘2戦連続マルチで打率・625 宮城の超遅球攻略「反応です」
「SMBC日本シリーズ2023、オリックス・バファローズ8-0阪神タイガース」(29日、京セラドーム大阪)
大敗を喫した中、バットで孤軍奮闘していたのは阪神・中野だった。突破口を開こうという一心で、快音を響かせる。今季初めてセ・リーグ最多安打のタイトルを獲得した男の意地を見せたマルチ安打だ。
超遅球に対して、完璧な対応を見せた。初回1死の第1打席。1ストライクから宮城が85キロのスローカーブを投じたが、きれいに中前へはじき返した。「反応です。来たら軽く合わせたら打てるかな」とイメージ通りにヒットゾーンに運んだ。
チームは序盤から宮城に苦戦していたが、中野は違う。四回先頭の第2打席も左腕のスライダーを捉え、投手内野安打。快勝した前夜の3安打2打点に続き、2試合連続の複数安打。大舞台で役割を果たしている。
六回の第3打席は的確にボールを見極めて宮城から四球を勝ち取った。何度も得点のきっかけをつくっていただけに、後の打者が続くことができなかったのは痛恨だった。
CSファイナルSの対広島3戦では打率・091で終え、「打つポイントがバラバラで、自分でもどうしたらいいか分からない状態だった」と明かす。それでも「甘く来たボールを打つことだけを考えて」とシンプルな思考で臨み、頂上決戦で本来の打撃を取り戻してきた。「本当にふがいなかったので、なんとしても自分の役割をしっかりしようという強い気持ちは持っていた」。日本シリーズ2試合を終えて、8打数5安打の打率・625。驚異的な数字で急回復を果たした。
31日からは本拠地・甲子園に戻る。CSファイナルSでは無傷の3連勝を遂げた地。理想は聖地で3連勝を決めての日本一だ。「甲子園の初戦を取る取らないで、だいぶ流れも大きく変わってくると思う。なんとか甲子園初戦を取って良い流れで行けるように」。自らの役割を全うし、日本一に導くシリーズ男となる。
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