「ＳＭＢＣ日本シリーズ２０２３、オリックス・バファローズ０－８阪神タイガース」（２８日、京セラドーム大阪）

　阪神の渡辺諒内野手が五回に決勝の中前適時打を放った。岡田監督が「打つと思ったから」という抜擢に見事に応える活躍。「交流戦の時は僕のミスで点を与えてしまった」と先発の村上に報いる一振りだ。

　０－０の五回、１死三塁で巡ってきた第２打席。初球の内角直球をめいっぱい振り抜いた。「何とかかえすために、初球から思い切って振った。詰まりましたけど、いいところに落ちてくれてた」と打球は中前にポトリと落ち、三塁走者の佐藤輝が生還した。

　絶対に忘れられない苦い記憶があった。交流戦のオリックス戦。この日と同じ村上と山本由伸の投げ合いだったが、渡辺諒の失策から先制適時打を浴び、八回にもフライを落球していた。それだけに「交流戦の時は僕のミスで点をあたえてしまった。この１年で何とかアイツに恩返しできればと思っていた。先制点という良い形をプレゼントできた。お返しはできたのかなと思うので良かったです」という。

　試合前に岡田監督からは「思い切って行けよ」と声をかけられたという。その言葉をしっかりと反すうし、初球から積極果敢にスイングしていた結果、大きな１点が生まれた。「本当に当たり的には悪かったですけど、いいところに落ちてくれたので。それがすごく良い形でよかったかなと思います」と振り返っていた。