阪神 CS連勝の立役者は坂本「すごく成長した」「風格が漂う」評論家が分析 ポイントは死球&四球後のしぐさ

 サヨナラ打の木浪(中央手前)と抱き合う坂本(同奥)=19日
 9回、四球を選び木浪を指さして声を上げる坂本=19日
 5回、死球を受け、バットを投げる坂本=18日
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 「JERA CSセ・ファイナルS・第3戦、阪神タイガース-広島東洋カープ」(20日、甲子園球場)

 阪神が広島に連勝を飾り、日本シリーズ進出へ王手をかけている。阪神、広島両チームでコーチを務めた経験を持つデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は第1戦、第2戦を見た上で「坂本がすごく成長したように感じる。風格すら漂っているように見えるよね」と指摘した。

 そのポイントとは-。「もちろんディフェンス面でもあるんだけど、第1戦のデッドボール、第2戦のフォアボールに成長を感じたね。あの後のしぐさ。デッドボールの時はバットを投げて『さあ行くぞ』という気迫を見せた。フォアボールは木浪を指さして『さあ、お前だぞ』と指示した。つまりゲームの流れが分かっているんだよね」と評した岡氏。第1戦、五回で出塁した際は勝ち越しのランナー。ましてや厳しくインサイドを攻められての死球。今年、デッドボールに苦しめられたチームが奮起する要素だった。

 第2戦の四球は今年、「8番・木浪」が機能。チームの形として「木浪につなげばと坂本は思っていたと思う。だからこその指さしだったんじゃないかな。捕手というのはグラウンドの監督、司令塔という言われ方をするけど、攻撃でも流れの大事さ、ポイントを分かっているんだと思う。やるべきことを理解した上で、どうすればチームが勝てるかを考えている。それが正捕手の姿なんだよね」と坂本の成長した部分を指摘する。

 シーズン中はあまり気迫を前面に出すシーンは少なかった。この短期決戦で激変した姿の要因とは?「やっぱり自信だと思うよ。8月中旬に梅野が離脱してから、ほぼ1人でマスクをかぶってきた。もともとそういう姿勢があったとは聞くけど、梅野と併用だったときは、どうしても比較される部分があるから、無難にこなそうとしていたのかもしれない。でもいざ1人で任されたことで、それをやりきったことで、自信が生まれた。過去に急成長した選手を何人も見てきたけど、そういう何かの“きっかけ”で爆発的に伸びる選手がいる。それが今の坂本なんじゃないかな」と分析した。

 「配球というのはピッチャーのコントロールの部分が大きいけど、粘り強くリードしているし、インサイドに飛び込むときは覚悟を持って行っているように感じる。もともと守備面に関しては定評があった選手だけど、守備に限らず、チームを勝利へ導くという強い姿勢を見せてくれたことが連勝の要因じゃないかな」と岡氏は目を細める。梅野離脱という危機的状況を乗り越えたチーム、その穴を埋めきった坂本に芽生えた自信が、負けられない短期決戦で大きな輝きを放っている。

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