阪神・伊藤将 本調子でなくとも劇勝呼ぶ7回1失点「辛抱強く低めに丁寧に」 初戦先発・村上に「オレに任せとけ」
「JERA CSセ・ファイナルS・第2戦、阪神タイガース2-1広島東洋カープ」(19日、甲子園球場)
はじけるような笑顔でベンチを飛び出した。プロ入り後初めて加わったウオーターシャワーの輪で大はしゃぎ。試合を作った阪神・伊藤将は、チーム一丸でつかんだ勝利を「そこが全て」と誇った。
「いつもすごいんですけど、さらにまた違った歓声もあった」
スタンドを黄色で埋め尽くした虎党から、自然と拍手がわき起こった。同点の六回だ。先頭・菊池に右前打を許すなど2死一、二塁とピンチに陥り、西川に対してフルカウントとなると、場内からエールが届けられた。「めちゃめちゃ聞こえてたので勇気をもらいました」。心強い応援に背中を押されて投じた6球目・カットボールで遊直に。ヤマ場を乗り越えた左腕は、ぐっと左拳を握りしめた。
岡田監督が「今年一番悪かったんじゃないかな」と話したように、球が高めに浮く場面も目立ち、本調子とは言えない内容だった。初回1死三塁からは小園に先制の左前適時打を献上。それでも「誠志郎さん(坂本)と話しながら、辛抱強く低めに丁寧に投げることを心がけました」と走者を背負いながらも粘りの投球を展開した。
七回無死一塁では、末包が放った痛烈な投直を好捕し、飛び出していた一走もアウトにするビッグプレーも披露。大舞台でも7回1失点と力投し、チームの勝利に貢献した。
震い立たない訳にはいかなかった。第1戦に先発して勝利を導いた村上からは「(自身の先発前に)将司さんが『オレに任せとけ』と言ってました。しっかりやってくれると思います」と“プレッシャー”をかけられていた左腕。「頌樹(村上)が緊張していると思って声かけたんですけど、逆にプレッシャー与えられて、やべえと思ってました」と笑ったが、頼もしい言葉の通りきっちりと役目を全うした。
先発陣の盤石さを2戦連続で証明。この勢いで、日本一への挑戦権を手にする。
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