【岡義朗氏の眼】中野が見せる好打者の条件

 「東京ヤクルトスワローズ3-9阪神タイガース」(23日、神宮球場)

 阪神が14安打9得点で快勝。初回に先制打の中野拓夢内野手が猛打賞、最多安打のタイトルを視界に。デイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「『好打者の条件』が随所に」と賛辞を送った。

  ◇  ◇

 技術の高さを存分に感じさせてくれた。最多安打のタイトル争いが注目される中野が3安打。『好打者の条件』が随所に見られる内容の濃さだった。

 特に注目は八回の3安打目。低めの変化球に対し手首を返さず左方向へ打ち返した。テニスでは手首の返しを使わない打ち方があり、それと同様の技術。もし手首を返していればゴロだっただろう。

 中野の特徴はカウントで追い込まれたらポイントを通常より近くにし、中堅方向へ意識を置く点。相手捕手が『振ってこない』と思った瞬間にバットが出てくるタイプだ。

 加えてバットを内側から出し最短距離で打ちにいくから、例えば変化球待ちで直球が来てもカットしてファウルにできる。これは好打者の条件といえる。

 この日でリーグ3位の156安打。最多安打トップで並ぶDeNA・牧や中日・岡林と1安打差に詰め寄った。阪神、DeNA、中日はいずれも残り8試合。タイトルを手にしてもらいたい。

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