阪神・糸原「準備してきた」代打V撃でM5 9月無傷8連勝でセ全球団勝ち越し 最短14日にも胴上げ

 8回、中前に勝ち越しの2点適時打を放ち、雄たけびを上げる糸原(撮影・中田匡峻)
 ミエセス(左)と笑顔で引き揚げる糸原
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 「阪神タイガース5-1広島東洋カープ」(10日、甲子園球場)

 いよいよアレの瞬間が迫ってきたで!。阪神が八回、代打・糸原健斗内野手(30)の決勝打などで一気に4点を挙げて快勝。2位・広島との3連戦でスイープを決め、その差を11ゲームに広げるとともに、今季のセ全球団勝ち越しを決めた。マジックは「5」となり、11日の休養日を経て、12日からは甲子園での巨人3連戦から始まる7連戦。最短で14日にも岡田監督が宙を舞う。

 絶好機に鼓舞するため虎党がそろえた“ワッショイ大合唱”を、一瞬にして地鳴りのような歓喜の声に変えた。白熱の投手戦で勝負を決めた代打・糸原の一撃。「こういう日のために準備してきて、結果を出せて良かったです」。代走を告げられベンチへ戻ると、何度もヘルメットをたたかれ、仲間から手荒い祝福を受けた。

 10勝が懸かった伊藤将が最少失点でマウンドに立ち続ける緊迫の展開。「何とか将司に勝ちがつけられるように、早く点を取ってあげたい」と、強い心で打席に入ったのは八回2死満塁だ。カウント2-1から九里の127球目をはじき返した。打球は遊撃手・田中のグラブをかすめて中前へ。2点適時打で大きな大きな勝ち越し点をもたらした。

 七回には“一芝居”打った。相手のミス連発で1死満塁となり、迎えた9番・伊藤将の打順。糸原がバットを持ってネクストへ。岡田監督が「カムフラージュで出したんだけど…」と振り返った場面。ダミーの糸原は打席に立たなかったが、「まだ同点やし、またいい場面で来る」と気持ちを切らさず、本当の出番に備えた。

 代打を生業とする今季、コールされるまではベンチで大きな声を出して盛り上げ役を務める。「調子良かったら、みんな声なんて出せる。チームが調子が悪いとき、声を出すのはすごいこと。そういうのは意識してます」。沈みがちになった空気を一変させるのが、声でもバットでも、それは立派な献身だ。

 糸原の一振りで8連勝を決めたと同時に、セ5球団にシーズン勝ち越しが決定した。全球団に勝ち越す完全アレが実現すれば、球団では1962年以来61年ぶりだ。2位・広島との直接対決で3連勝を決め、マジックは3試合で7減らして「5」になった。

 「片手なったですね。次また甲子園で、相手も巨人だし、楽しみにね、ファンの皆さんも応援してもらいたいですね」と岡田監督。ついに見えた独走のゴールライン。最短で14日にもアレの瞬間を迎える。悲願の扉が開くのはもうすぐだ。

 ◆14日Vの条件 12日からの各カード3連戦で①阪神が巨人戦3連勝②広島がヤクルト戦2敗以上③DeNAが中日戦で1敗もしくは1分けすれば14日に阪神の優勝が決まる。

 ◆対セ5球団勝ち越し 広島に13勝7敗1分けとし、今季対セ5球団勝ち越し。阪神が完全優勝なら2リーグ分立後では1962年以来2度目。

 ◆甲子園で広島戦7連勝 5月20日から1分けを挟み7連勝。ここまでホーム9勝2敗1分け、ビジター4勝5敗。

 ◆9月8戦8勝 月初めから8連勝は14年7月1~11日以来。

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