【岡義朗氏の眼】“チカナカ”コンビ筆頭に攻守に充実の阪神野手陣

 「広島東洋カープ7-6阪神タイガース」(15日、マツダスタジアム)

 阪神の連勝が10でストップ。優勝マジック「29」点灯は翌日以降に持ち越しとなった。接戦を落とす形となったが、デイリースポーツ評論家・岡義朗氏(69)は「野手陣は十分に機能している」とその内容を評価した。

  ◇  ◇

 現状、阪神の攻撃陣は非常に充実している。どの打順からでも得点できるのが強みだがやはり近本、中野の1、2番は出色だ。

 1、2打席目の安打をいずれも得点につなげた近本は、どちらの打席もファーストストライクを悠然と見送った。際どいボールに手を出さず、いずれ来るであろう甘い球をきっちりとヒットにする。

 そして中野もじっくり構えて、近本の盗塁を待ち、進塁打で先制につなげた。2人とも、役割を理解し遂行する能力に長けている。

 この2人のコンビネーションにより、走者を置くとより勝負強さを発揮する森下が「燃える」し、相手投手にすればプレッシャーもかかってくる。この相乗効果が初回、三回の得点となっている。

 さらに加えたいのが七回裏1死三塁で、打者がスイングした際に少し本塁へ走りかけた三走・矢野をけん制で刺した捕手・坂本の洞察力だ。梅野を欠く中でも、野手陣は十分に機能していることは心強い。

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