阪神・梅野 先制打&Vセンターゴロで延長十一回劇勝導く 最短15日にもM点灯へ独走態勢

 接戦を制し、ナインとタッチを交わす梅野
 延長11回、梅野のセンターゴロで阪神が勝ち越しに成功する
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 「読売ジャイアンツ2-5阪神タイガース」(9日、東京ドーム)

 はっきり言うて、独走態勢突入やで!阪神は延長十一回に梅野隆太郎捕手(32)が決勝点をたたき出して6連勝。100試合目で今季最多を更新する貯金20とした。七回に失策絡みで逆転を許す悪い流れをはね返し、底力を感じさせる勝利で巨人の自力優勝の可能性を消滅させた。2位・広島とは4・5差。最短で15日に優勝マジックが点灯する。

 死闘に決着をつけたのは梅野だった。同点の延長十一回。前打者・佐藤輝が申告敬遠され、1死満塁で打席へ。執念で打球を中前に落とし、三塁走者が生還。二走が封殺されて適時打とはならなかったが、意地で決勝点を挙げた。

 「最高の仕事ができたんじゃないかなと思います」

 両軍無得点で迎えた七回1死一、二塁では、それまでチームが苦戦していたグリフィンから三遊間を破る先制左前適時打をマーク。均衡していた試合を動かした。値千金の2打点を挙げ、この日の打の主役に輝いた。

 1点リードの七回には左翼・島田の落球から逆転され、敗戦一色のムード。島田を戦犯にさせないためにも自らのバットでケリをつけた。「みんなでカバーしあいながらできているからこういうゲームができているんじゃないかな」。調子が上がらなかった時にはチームメートが助けてくれた。この日は梅野がチームを救った。「自分うんぬんというよりもピッチャーやみんなが頑張ってくれたおかげ」。試合後は女房役らしくチームメートを立てて謙遜した。

 春先は不振に苦しみ、打率は1割台を切ることも。どん底を耐え抜く支えとなったのは「緑」だった。妻から教えてもらったラッキーカラー。財布、携帯電話のケース、サンダルまで緑でそろえた。「本当に苦しかった」と運にまですらすがりたくなるほどの苦境。それでも、野球に真摯(しんし)に向き合い続けるという芯だけは崩さなかった。だから、戦い続けることができた。

 自身の復調とともにチームも勢いづいてきた。今季3度目の6連勝で5カード連続勝ち越し。今季100試合目で最多を更新する貯金「20」に到達した。

 宿敵・巨人の自力優勝の可能性を消滅させた。2位・広島も敗れたため、4・5差に広がった。最短で15日にはマジックが点灯する。いよいよ独走態勢に突入だ。18年ぶりのアレの足音が聞こえてきた。

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