阪神・佐藤輝 待望弾で前半戦快勝締め 新人から3年連続10号は田淵、岡田に続き球団3人目
「阪神4-1中日」(17日、甲子園球場)
この調子で後半戦も頼むで!!不振にあえぐ背番号8に目覚めの一発が飛び出した。阪神・佐藤輝明内野手(24)が初回のチャンスに6月16日以来、47打席ぶりとなる先制の10号3ランを放った。入団から3年連続2桁弾となり、球団では田淵幸一、岡田彰布に続く3人目の快挙。チームも連敗を3でストップ。ラストゲームを勝利で締めくくり、貯金11で前半戦を折り返した。
悩み、苦しみもがいてきた佐藤輝のスイングから、凄(すさ)まじい弾丸ライナーが放たれた。ロマンあふれる一振りが、空気をガラッと変える。虎党のみんながずっとこの一発を待っていた。だからこそ、満員御礼のスタンドは沸きに沸く。47打席ぶりの本塁打。両手に残った感触が最高だ。
「いい感触でしたし、久しぶりのホームランで気持ち良かったです!!」
沈黙の続いていたバットが、ようやく火を噴いた。両軍無得点の初回2死一、二塁。カウント1-1から涌井が投じた147キロ直球を強振。角度19度と低い弾道のまま右中間席にズドン。6月16日・ソフトバンク戦(甲子園)以来の決勝10号3ラン。足早にダイヤモンドを駆け、「どういう表情をしたらいいか分からなかった」。お立ち台でそう明かしたが、表情には少し安ど感がにじんだ。
球団新人での3年連続2桁弾は69~78年田淵幸一、80~91年岡田彰布以来、41年ぶり3人目の快挙。前半戦最終戦で節目の一撃が飛び出した。
「しんどいです」。打撃不振に苦しむ7月、あまり弱音を吐かない佐藤輝が漏らした本音だ。前夜は、月間打率0割台に突入していた。早出や試合後にバットを振り込む日々。試行錯誤を重ね、この日も練習ではエンゼルス・大谷に類似したフォームで試し打ちするような姿があった。
試合では大谷のようなフォームではなかったが、好調時のように、軸足のタメが乗ったホームランを演出。「ずっと打てなかったので、いろいろ試して結果が一つ出て良かった」と表情は柔らかい。
試合前練習後の入浴時に、西純から「母の日を思い出して、ホームランを打ってください」とお願いされた。母の日だった5月14日・DeNA戦で3ラン&満塁弾を放ち、西純の2勝目をアシストしていた。この日も勝利をプレゼントする一発。「純矢も苦しんでいたので、助けてあげることができて良かった」と満面の笑みだ。
打てない時期でも、大歓声や自身のタオルを掲げてくれるファンの存在がモチベーションだった。「まだまだ。もっと頑張りたい」。勝負の後半戦、佐藤輝は必ず大爆発する。
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