9連勝中の先発投手はわずか「3+1」人!? 阪神の前回月間最多19勝の55年前を当時の1番打者が振り返る

 岡田阪神の勢いが止まらない。11日のヤクルト戦から18日の中日戦まで7連勝。翌19日の広島戦での1敗を挟み、今度は20日の同戦から30日の西武戦まで16年ぶりとなる9連勝を続けている。今月はここまで19勝4敗。55年ぶりに、球団の月間最多勝利数にも並んだ。

 では前回月間19勝(2敗)を挙げた1968年8月はどうだったのか。今回とまったく同じく7連勝(8月6~15日)を決め、8月18日の西京極球場での中日戦ダブルヘッダー初戦黒星を挟み、同2戦目から9連勝(8月18~31日)を達成していた。

 驚くのがその9連勝中の先発投手である。

 江夏→村山→江夏→バッキー→村山→江夏→柿本→バッキー→村山

 中2日、中3日は当たり前、9戦で江夏、村山、バッキーの3人と柿本で回していたのだった。

 当時の代表的な打順は①藤田②小玉③遠井④カークランド⑤藤井⑥辻、池田、和田⑦吉田⑧本屋敷。1番打者として出場していたデイリースポーツ評論家で、元阪神監督の藤田平氏が振り返る。

 「あの頃のピッチャーはとにかくタフだった。そのペースで先発して完投していただけじゃない。リリーフとしても登板していたんだから」と自身入団3年目の当時を懐かしむ。

 確かに江夏、村山、バッキーの3本柱の68年成績を振り返ると

 ◆江夏 49登板中37先発 26完投8完封で25勝12敗

 ◆村山 32登板中24先発 14完投1完封で15勝8敗

 ◆バッキー 34登板中31先発 19完投3完封で13勝14敗

 先発だけでなく、リリーフとしてもマウンドに上がっていたことが分かる。

 では55年前と現在の阪神の強さに共通点はあるのか。藤田氏は投手力を挙げた。

 「当時も阪神相手には2、3点取られたら厳しいと言われていたものだ。江夏の時なんかは1点取られたら…って言われていたんだから。そういう意味では、先発が頑張って五、六回までリードしていたら負ける雰囲気がない今と同じ。もちろん投手起用の体系は全く違うけど」と話す。

 ちなみに藤本定義監督率いる68年の阪神はシーズン2位。優勝はV9の4連覇目となった巨人だった。64年には驚異の29勝(9敗)を挙げたバッキーが、9月18日の巨人戦で起こった乱闘で右手親指を骨折。阪神を去ったのも、この68年である。

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