阪神・才木 8連勝導いた!7回2/3を1失点10K「9回を0点とかできるように」
「阪神4-1巨人」(28日、甲子園球場)
虎の進撃が止まらない。阪神の先発・才木浩人投手(24)が7回2/3を1失点、10三振を奪う力投で見事なG斬り、今季3勝目を挙げた。巨人3タテに成功したチームは今季初の8連勝を飾り、貯金も最多17となった。2位・DeNAに6ゲーム差をつけて、30日からはセ・パ交流戦がスタート。パ球団も蹴散らして独走態勢をさらに強固なものにする。
巨人打線の一挙手一投足に才木は目を光らせた。マウンド上にかすかに香る“答え”を察知。5年前に授かったレジェンドの教えが伝統の一戦で生きた。
プロ2年目の2018年。チーム事情により、中継ぎに配置転換された右腕は、当時現役だった藤川球児氏(現SA)の“つぶやき”に耳を傾け続けていた。「今のバッター反応してたな」「俺ならこういくかな」と、ブルペンの映像を見ながら次の展開を予測し、次々と当てていった藤川氏。ベテランの『打者心理の考察』、『展開の読み』の鋭さに才木は面食らった。
投球間のわずか数秒で自分のフォームのフィードバックと、相手打者の分析を行う難しさを痛感した。「野球脳を鍛えたい」と刺激を受けた才木は、藤川氏に近づこうと努力を重ねた。その成果がこの試合で垣間見えた。
「真っすぐを待っているところに、スライダーとかフォークとかを振らせていくっていうことができた」
両軍無得点の四回。先頭・坂本に初球カーブでストライクを取った後に、4球連続フォークで空振り三振。2死からの岡本和に対しても、カーブ、スライダー、フォークで空振り三振に切った。実績のある強打者にオール変化球勝負。『打者心理の考察』を生かし、しぐさなどから導き出した配球で相手の裏を完璧に突いた。
1点リードの七回先頭で秋広に右翼への同点ソロを献上。球数100球を超えて向かった八回のマウンドでは、『展開の読み』が効いた。あらかじめ多めに変化球を交えてイニングを重ねたことにより、直球の球威はさほど落ちず。「完投とかお願いしようかなと思ったくらい」と余力を残すことに成功した。151キロを計測しながら2死を奪ったところで降板。20年11月に受けた右肘トミー・ジョン手術後最多となる122球の力投に、万雷の拍手が送られた。
自己最長7回2/3を投げ、3安打1失点。10個の三振を奪い、自身2度目となる2桁奪三振で3勝目を挙げた。
「9回を0点とかのピッチングができるように頑張りたい」と完封を目標に据えた才木。チームは貯金17とし、2位・DeNAと6ゲーム差で交流戦に突入する。成長の跡を示した右腕はパの強打者にも臆することなく勝負を挑んでいく。
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