阪神・桐敷の成長秘話 恩師の新潟医療福祉大・鵜瀬亮一監督が語る

 大学時代の試合の円陣で桐敷(左端)に話しかける新潟医療福祉大・鵜瀬亮一監督(50)
 新潟医療福祉大・鵜瀬監督
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 「阪神2-1巨人」(26日、甲子園球場)

 先発した2年目左腕の桐敷拓馬投手(23)が7回を5安打10奪三振1失点の快投。待望のプロ初勝利を挙げ、チームを今季2度目の6連勝に導いた。

 新潟医療福祉大・鵜瀬亮一監督(42)が、本庄東高1年時はコーチとして、大学時代はコーチ、監督として指導した桐敷拓馬投手(23)の成長秘話を語った。ごく普通の投手からプロに駆け上がるまでの軌跡を指導者として見届けた同監督。プロ初勝利からの飛躍を願い、教え子にエールを送った。

  ◇  ◇

 ごく普通の投手。鵜瀬監督が本庄東高に入学してきた桐敷に抱いた印象はそれほど強くなかった。「球速も130キロ出るか出ないかくらいだった。試合で投げている姿もそれほど…」。プロ野球選手になるような素材にはとてもではないが見えなかったという。

 同校のコーチから新潟医療福祉大のコーチに就任したため、高校での桐敷への指導は1年で終わった。ただ、前任の監督が「本庄東にいい左ピッチャーがいる」とリーグの審判から聞きつけて誘ったことをきっかけに、再び同じユニホームを着ることに。そこで“普通の投手”がプロ野球選手になるまでの過程を間近で見届けた。

 成長の秘訣(ひけつ)は「自主性」。高校に比べて練習時間が多くなったこともあり、自主練習の時間も必然的に増加した。桐敷は誰かに見られていなくとも、ひたむきに野球と向き合い続けていたという。

 「3、4人で集まってしか行動できない学生がいる中、(桐敷は)本当に自分の取り組むべきことに集中していました」

 通りがかりにトレーニングセンターをのぞくと、必ずそこには桐敷がいた。ドラフトが近づき、周囲が盛り上がりだした頃も一人で黙々と練習。「誰かといるとドラフトの話になったりすると思うんですけど、一人でやるべきことに集中していましたね」と夢をつかむ寸前でも浮ついた様子は全くなかった。

 プロ1年目は開幕ローテ入りも果たすも、初勝利を挙げられず。ただ、昨オフに会った際に桐敷は「本当に充実していた」と声を弾ませていたという。課題以上に収穫が多かった1年。結果は出なかったものの、鵜瀬監督は桐敷の成長を確信した。

 「1年目で厳しい世界だということも感じられたと思う。まだ5月なのでここから頑張ってほしい」。一つ壁を乗り越えた教え子のここからの飛躍を願った。(デイリースポーツ・北村孝紀)

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