【藤田平氏の眼】初球から振れる阪神・森下の良さが存分に出た
「阪神1-0広島」(20日、甲子園球場)
阪神ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=がプロ初のサヨナラ打を放った。デイリースポーツ評論家・藤田平氏(75)は、初球を仕留めた森下の一打について「彼の良さが存分に出たと言っていい」と高く評価した。
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生まれ持った『運』があるのだろう。プロ初のサヨナラ打を決めた阪神の新人・森下は最後に訪れたチャンスを物にした。仕留めたボールは初球のストレート。元来、1球目から打撃態勢を整えて積極的に振っていけるタイプだ。彼の良さが存分に出たと言っていい。
練習はうそをつかない。ファームで培ってきたものがこの日の結果につながったのだろう。16、17日のウエスタン・中日戦で2試合連続本塁打。具体的にフォームを変えたというよりは、春季キャンプやオープン戦で見せていたような好調な打撃に戻りつつある。
スタメン起用した岡田監督の期待にも応えられただろう。「6番打者」が固定しきれていない状況だけに大きなアピールとなったはず。ミエセスらとの競争の活性化も期待できる。
また、森下には自分の代わりに2軍へ落ちた選手がいることも忘れないでほしい。周囲の思いも大切にできる選手へ成長することを期待している。