阪神・岡田監督 通算600勝で首位タイ浮上 ノイジーに助言、先手の守備固め“マジック”健在
「阪神7-2DeNA」(13日、甲子園球場)
雨の甲子園に「岡田コール」が響いた。投打のかみ合った首位タイ浮上の1勝は、阪神・岡田彰布監督(65)にとって、史上25人目の監督通算600勝という記念星となった。試合前に声をかけたノイジーが目覚め、雨も計算に入れた先手の守備固めも的中するなど、采配ズバリの勝利で3連勝。土曜日は4戦全勝で貯金も今季最多の「6」となり、勢いに乗って突き進む。
節目の白星も普段の1勝と変わりはなかった。史上25人目の通算600勝。ベンチで勝利を見届けた岡田監督はいつも通り、柔らかい笑みを浮かべながら選手を出迎えた。派手なパフォーマンスがなかったのも当然だった。「試合が終わってからやっと気付いた。スコアボードをパッと見たら(通算600勝と)出とったから『えっ』と思って。全然そんなアレは知らんかったから。ピンと来ないなあ」と苦笑いを交えながら振り返った。
指揮官として積み重ねた経験と勝利。この日も勝負勘はさえた。布石は試合前の練習で打たれていた。打撃が停滞しているノイジー、ミエセス、梅野にアドバイスを送った。特に「真面目で完璧を求める」というノイジーには「もうちょっと遊んだらええ。リラックスっていうか、そういう感じで打ったらどうや」と言葉をかけた。
助言は即効だった。三回には1-1から勝ち越し犠飛を放つなど2安打3打点。新助っ人の覚醒を導いた。雨が降り続いた中、六回からは力みの目立ったミエセスに代えて、島田を右翼に送ると、七回に右邪飛を滑り込みながら好捕。先手の守備固めが奏功するなど“マジック”は健在だった。
勝利を届けたい人がいた。「京都岡田会」で事務局長を務めた鵜飼忠男氏が8日に亡くなった。古くからの知己で岡田監督の就任を待望していた一人でもあった。1月の「岡田会」では熱のこもったスピーチで背中を押してくれた。「だいぶ弱ってたみたいやからな」と寂しそうにつぶやいた。通夜が営まれた9日は甲子園でヤクルト戦が行われたため、陽子夫人が出席した。
亡き父も見守ってくれている。大阪・玉造の実家にあった仏壇を現在の自宅に移した。「仏壇を移したから霊を抜いて戻さなあかん」。4月20日には僧侶を招いて開眼供養を行った。父・勇郎さんをより身近に感じながら采配を振るった。
土曜日は4戦全勝とし、今季4度目の3連勝でDeNAと並んで同率首位に立った。貯金6は今季最多。試合後には「岡田コール」も響いた。“アレ”への期待は高まるばかりだが「1試合1試合の積み重ねなんで、そういう気持ちでやるだけ」とかぶとの緒を締めた。自宅の客間には記念のサインボールを無造作に飾っている。ウイニングボールについては「いやいや知らん。そんなん要らんよ」と笑ったが、新たな記念球がその手に渡った。
◆監督通算600勝!史上25人目!! 岡田監督がプロ野球史上25人目となる監督通算600勝。阪神で412勝、オリックスで188勝を記録。初勝利は阪神での第1次政権時の2004年4月2日・巨人戦(東京ドーム)。
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