阪神・石井 3年目ヤッ倒つかんだプロ初星 「本当に感謝したい」八回2死一、二塁しのいだ0封

 8回表に登板し1イニングを無失点に抑えた石井
 プロ初勝利を飾った石井。岡田監督から祝福を受ける(撮影・山口登)
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 「阪神2-1ヤクルト」(11日、甲子園球場)

 たくさんの人の顔が浮かぶ。笑顔で握りしめた勝利球につまった数え切れないサポート。通算49試合目にして、阪神・石井大智投手(25)がプロ初勝利を挙げた。

 「多くの人にかかわってもらって、自分の結果につながるような助けをいただいた。本当に感謝したいです」

 プロ3年目、立場は変わった。過去2年はビハインドの場面で登板することが多かったが、巡ってきた出番は同点の八回。「良い緊張感の中で相手に向かっていく気持ちで」と堂々と腕を振った。

 2死から山田に右前打を許し、ミエセスが打球処理をもたついて二塁進塁を許す。続く村上にはフルカウントから四球を与えてピンチを背負ったが、「勝負しにいった結果」と後悔はなかった。2死一、二塁。カウント1-1から投じた146キロ直球でサンタナを一邪飛に仕留め、勝ち越しは許さなかった。「ピンチも背負って褒められた投球ではないと思うんですけど、ゼロに抑えられて良かった」。八回の攻撃でチームが勝ち越し、記念の勝利が舞い込んだ。

 四国ILp・高知時代の20年、徳島との首位攻防戦。先発して7回3失点(自責0)も、目の前でリーグ優勝を逃した。元阪神である吉田豊彦監督は振り返る。「味方のミスで優勝を逃してしまったのに、大智がすごく気にして。本人は奪三振のタイトルもかかっていましたけど、自分を犠牲にして変化球を駆使しながら相手を抑えて、何とかつなごうという姿勢を見せてくれた」。チームの勝利を誰よりも思うからこそ、仲間たちも奮い立つ。

 記念球は、そんな独立リーグ時代に出会い、昨年1月に結婚した妻に贈るつもりだ。「奥さんのサポートがなかったら、こういう場所で戦えてない。私生活の面で支えてもらってることが本当に大きい。これからも妻のために頑張りたい」。ここがスタート。多くの支えを受けて、さらなる飛躍を目指す。

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