阪神・佐藤輝が大事にする矢野前監督の教え 「おまえは自分の殻に入ったままや」

 「阪神6-1広島」(19日、甲子園球場)

 阪神・佐藤輝明内野手(24)が、開幕から15試合目、55打席目で今季初の適時打となる左前打を放った。悩める主砲が「大事にしていきたい」と心に留めている矢野前監督の教えを担当記者が明かした。

  ◇  ◇

 佐藤輝にとって、矢野前監督は「熱血教師」のような存在だったという。学んだことは何事にも手を抜かず、まずはトライしてみることの重要性。岡田体制でも大切にしていきたい心がけだ。

 元々、練習の効率等を求めていた佐藤輝は「ムダかな、いらんかなと思う練習は、あまり積極的にやらなかったんですよね」と正直な思いを吐露する。そんな姿を見抜いていた矢野前監督からこんな指摘があったという。

 「テル(佐藤輝)、限界を突破してみろ!!おまえは自分の殻に入ったままや。無駄だと思うことも一回やってみて、やって無駄かどうかも分かるし、それが必要なことかもしれない。それが限界を突破できるきっかけになるかもしれないから」

 成長のきっかけは、どこに隠されているか分からない。自分自身で進化の可能性を狭めていたことを気づき、練習への意識にも変化が生じた。

 「そういうメニューをやることで新たな発見があるかもしれない。何かいいことがあるかもしれない。この先の野球人生でも大事にしていきたいですね」

 “熱血教師”からの言葉は、しっかり胸に響いている。鍛錬、努力を重ねた佐藤輝が野球選手として成長する姿こそ、矢野前監督への最大の恩返しとなる。(デイリースポーツ阪神担当・関谷文哉)

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