阪神・西純 耐えた!粘った!吠えた!今季初星 連続ピンチも「攻めた投球」で1失点
「巨人1-4阪神」(13日、東京ドーム)
何度も何度も、力強く拳を握った。毎回走者を出す苦しい展開ながら、逃げは一切しない。手にした今季初勝利を、阪神・西純矢投手は大切に心に刻んだ。
「素直にうれしい。野手の方に助けられての、この1勝はすごい大事かなと思います」
いきなり窮地に陥ったが、堂々と立ち向かった。初回、先頭・オコエに初球をはじき返され、左前打を浴びる。その後1死二、三塁と危機を招いたが、4番・岡本和を151キロ内角直球で一邪飛に。続く中田翔はフォークで空振り三振を奪い、ピンチ脱出。力いっぱい2度、ガッツポーズを決めた。
1-0の二回無死一、三塁で門脇に同点の右前適時打を献上したが、それが唯一の失点。9安打を浴びながらも、バックの守りに救われて6回1失点と粘り切った。「諦めずに、ピンチになっても攻めた投球をしようと思ってた」とうなずく。
5回3失点だった前回6日・広島戦(マツダ)では、三振を一つしか奪えず、「追い込んでからの球の精度が原因だと思ったので、いつもより意識して」と修正。得意のフォークだけでなく、スライダーやカーブを駆使して、5三振を奪った。
見る者を奮い立たせる感情を前面に出す姿。高2夏に出場した甲子園では、自身のガッツポーズが賛否を呼んだ。そんな時、昨夏に退任した長沢宏行監督(69)からは学校に届いた手紙を見せられ、背中を押された。「応援してくれる手紙と、批判している手紙。『こういう意見もあるけど、応援してくれる人もいるから』と言ってもらいました」-。
声援の戻った敵地に聞こえるのは、数え切れない自身へのエール。「梅野さんに『受け身にならずに、自分の気持ちを出すのが大事じゃないか』と言われたので。気合で投げてましたね」。気迫たっぷりの投球で、今季も突き進む。
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