【谷佳知氏の眼】村上交代 阪神ベンチの判断は十分に理解できる

 「巨人1-2阪神」(12日、東京ドーム)

 今季初先発の阪神・村上頌樹投手(24)が、巨人を相手に七回まで圧巻のパーフェクト投球を披露。完全投球を続けている中、八回の攻撃で代打が送られたことに対し、デイリースポーツ評論家・谷佳知氏(50)は「チーム状況も踏まえれば、継投はやむなし」と理解を示した。

  ◇  ◇

 七回まで完全投球だった村上を交代させたベンチの判断は、十分に理解ができる。

 六回2死から投手のメンデスに打たれた二ゴロも中野が好守でアウトにしてくれたものだったし、七回1死からは丸に左中間への大きな飛球を打たれた。巨人打線に捉えられ始めていたのは間違いないし、七回終了でいっぱいいっぱいという印象を受けた。

 これが青柳や西勇であったなら続投だっただろうが、ベンチは完全試合という記録よりも、まだプロ未勝利の村上になんとか白星を付けてあげたかったのだと思う。1-0という僅差、第1戦を落としてどうしても勝ちたいというチーム状況も踏まえれば、継投はやむなしだろう。

 八回に代打を告げられた後、村上はベンチで笑顔を浮かべていた。本人も力を出し切り、納得の交代ではなかったか。

 悔やまれるのは、六回の攻撃だ。先頭の近本が二塁打で出塁し、中野が犠打で1死三塁。ここで前の打席で来日初アーチを放っていたノイジー、大山で2点目を奪えていれば、その後の展開も大きく変わっていただろう。

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