岡田阪神に甲子園が沸いた 足絡め先制2点に好連係プレーも連発 攻守で魅せたキャンプの成果
「オープン戦、阪神2-4オリックス」(4日、甲子園球場)
敗れはしたものの、快晴の甲子園で示された岡田野球に、スタンドも大盛り上がりだ。阪神は今年の甲子園初戦となったオープン戦・オリックス戦で逆転負け。それでも、初回に足を絡めて2点を奪うと、守備では岡田彰布監督(65)が手応えを感じるプレーも見られるなど、今後の戦いに大きな期待を抱かせる一戦となった。
晴天の下、甲子園にファンの大歓声がこだました。2019年以来となる鳴り物とマスクを着用しての声出し応援が解禁。本拠地オープン戦初陣は飾れなかったが、1万7603人が待ちに待った岡田野球を堪能した。
「俺、声援ないところでやってないもん。分からん、分からん。前(の監督の時)も声援あったもん」
岡田監督はサラリと振り返ったが、初回の攻撃からスタンドは大盛り上がりだった。2死一塁から4番・大山が、結果的にランエンドヒットとなる左前打でチャンスを拡大。5番・佐藤輝も四球で満塁と広げ、好調・板山が2点左前適時打。鮮やかな2点先制劇に、聖地は六甲おろしの大合唱だ。
五回には代走・森下を走らせ、プロ初盗塁を導く。この日からの4連戦でバントや進塁打を含む本格的なサインを解禁。采配にも注目が集まった中で動き、結果につなげた。
「やってきたことというかな、中継にしてもいい練習の打球がいったからあ。アウト、セーフ関係なしにしてやることはできてるなあていう感じよ」
岡田監督がこの日、一番の収穫に挙げたのが昨秋から磨いてきた内外野の連係だ。2-2の六回1死一塁。頓宮の左越えの打球に対して遊撃・木浪は左翼・井上からの返球を素早く処理してバックホーム。ワンバウンド送球はわずかにそれてしまい、勝ち越し点献上となったが、指揮官は一連のプレーに満足そうにうなずいた。
「絶対にアウトになるわけじゃないからな。ナンボいい球返ってきてもセーフの場合はあるわけやからな」
指揮官は初回、杉沢の左翼線への打球を、ミエセスが正確な送球で二塁進塁を阻止したプレーや、八回、頓宮の右越えした打球を森下からの中継で三塁封殺した連係も評価。「そういうことは継続してやっていけばいいと思う」。沖縄キャンプでも、カットまでの強くて低い送球を徹底しており、成果に手応えを深めた様子だ。
2008年以来、15年ぶりとなる一塁ベンチからの景色も「まあ別に普通やで」と違和感はなかったという。予告通り、ベンチ入りメンバーをほぼグラウンドに送り出せたことも収穫。「3・31」のシーズン開幕へ、希望が膨らむ好発進だ。