阪神・中野 WBCで三笘&浅野になる「途中から出る人が活躍すると盛り上がる」
侍のラッキーボーイとなる!3月開催の「カーネクスト 2023 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の日本代表に選ばれ、背番号7を背負う阪神・中野拓夢内野手(26)が8日、かつて日本代表で同じ番号を背負った阪神OB・西岡剛氏(38)らの俊足の系譜を受け継ぎ、世界一に貢献する決意を明かした。代走、守備固めから主力へとはい上がり、日本中に“中野フィーバー”を巻き起こす。
日の丸を背負う瞬間が刻一刻と迫る中、中野は世界一を獲るまでの青写真を描いた。控え選手だけで終わるわけにはいかない-。背番号7に日本中の視線が集まるイメージを、脳裏に鮮明に描いた。
「試合の途中から出る選手の方が大変だと思う。でも、そういう場面で(盗塁などを)決めればファンの方も盛り上がると思いますし、自分の価値も上がってくると思います」
今回選ばれたメンバーでは、遊撃には西武・源田、二塁にはヤクルト・山田、DeNA・牧が名を連ねる状況。ただ、注目の集まる短期決戦だからこそ、わずかなチャンスをつかむことで、一気に日本のスターへと駆け上がることもできる。
思い返すのは、2022年にカタールで行われたサッカーW杯。日本代表・浅野が、強豪・ドイツ戦で途中出場から逆転ゴールを決めた。さらに三笘も大会を通して途中出場から活躍し、ともに日本中の時の人となった。
そういった活躍を見ていた中野は、自身の立ち位置と姿を重ね、「途中から出る人が活躍するとチーム全体が盛り上がっていた」と控え選手が活躍することの重要性を実感。「自分も試合途中から出て印象に残るプレーをすれば、ファンの方だったりみなさんも次に期待してくれる」とラッキーボーイとなる道筋を描いた。
活躍するための一番の武器となり得るのは、21年にセ・リーグ盗塁王を獲得した抜群の脚力。栗山監督もそこにほれ込み、自身も「スピードを期待していただいているなと思っている」と自覚する。
歴代のWBC日本代表の背番号7は元阪神・西岡氏、元西武・片岡氏、西武・松井監督など俊足ぞろい。「正直、過去に誰が着けたとかは考えていない」と前置きしながらも、「しっかり7番という番号が印象に残るというような、そういう活躍ができれば」と決意した。
「小さい頃は本当にすごい舞台で戦っているんだなと思いながら見ていました」という、憧れの舞台。忘れもしないのは1月、古巣・三菱重工岡崎のグラウンドで自主トレを行っていた朝のこと。知らない電話番号から着信が入った。スマートフォンの音声をスピーカーにして出ると、電話の声は栗山監督。代表入り内定の連絡に「本当に自分なのかな」と困惑するも、時間がたつにつれて自然と日の丸を背負う覚悟が芽生え始めたという。
指揮官からは「いろいろ無理をお願いするかもしれない」と二塁、遊撃と複数ポジションの起用を示唆された。阪神の岡田監督からは今季の二塁固定が明言されており、今春キャンプではここまで二塁の練習に専念。「(代表合宿が行われる)宮崎に行ったときにも練習の期間があるので、そこでショートの練習もしながら、どちらもできるように準備しながらやっていこうと思う」と、本番までに両ポジションをこなせるように仕上げる。
日の丸を背負う時間は、一流の選手と交流できる貴重な時間にもなる。「守備に関してはスペシャリストというか、自分の中で勉強になるところばかり」と“弟子入り”を希望するのは源田。昨年11月の侍JAPAN強化試合では共闘するも、「あまり聞くことができなかった」と、名手の技術を吸収しきれなかった。
「源田さんは常にボールに対して、どのような打球でも同じような捕り方というか、そういうふうに見える。バウンドの合わせ方とか、スタートの仕方とかを聞いていきたい」
名手の教えはチームに戻ってから、二塁に専念する際にも活用できる。「ボールへの入り方をしっかりと覚えて、阪神に帰ってきたい」とレベルアップして帰還することを誓った。
「自分の気の持ちようは、いつも攻めていくというところは変わらない。そこは常に持っていきたい」と中野。日の丸の“ラッキーセブン”を背負い、世界の頂点をつかみにいく。
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