阪神・佐藤輝 10秒以上涙こらえ「悔しい」 矢野監督の思い受け継ぎ「来年は僕たちが」

 4回、好機で三邪飛に倒れて頭を押さえる佐藤輝(撮影・堀内翔)
 ヤクルトに敗れてベンチで肩を落とす佐藤輝。左手前は矢野監督
 4回、三邪飛に倒れる。左は先発の高橋(撮影・田中太一)
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 「セCSファイナルS・第3戦、ヤクルト6-3阪神」(14日、神宮球場)

 目を背けたくなるような現実が、阪神・佐藤輝の視線の先には広がっていた。逆転勝利で歓喜するヤクルトナインとは対照的に、終戦でぼう然とする虎戦士。矢野監督と共に戦った下克上ロードへの挑戦が終わり、試合後は懸命に言葉を絞り出した。

 「やっぱり打てなかったら終わりなんで…。(10秒以上涙をこらえるような姿を見せて)悔しいって感じです」

 2試合ぶりに先発出場し、第1打席はまさかのサインだ。二回無死一、二塁の先制機。初球からバントの構えを見せる。1ボールから高橋の直球にバットを寝かせ、三塁方向へ転がしたが、左腕の素早いフィールディングで、二走・大山はアウトに。プロ初の犠打は失敗し「あの時点でバントだなと思っていた。作戦なんで決めたかった」と唇を噛んだ。

 近大の会場から画面越しで見た矢野監督の笑顔は一生忘れない。20年度ドラフト1位で4球団が競合し、指揮官がクジを当て阪神に入団。運命の糸に導かれた。「佐藤君を当てた時から阪神ファンの夢はどんどん広がっていってる。子どもたちやファンも本当に夢を持つような選手になってほしい」と期待の言葉もかけられた。

 矢野監督との思い出を振り返り「メンタル、気持ちのところをいろいろ教えてもらって、同じ方向を向いて野球ができた」。背番号88の思いを受け継ぎ「来年は僕たちが行けるように」と頂点に立つと力強く約束した。優勝を実現させることが最高の恩返しとなる。

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