奇跡の虎見せてくれ 阪神完敗で突破率3.4%も覆す!大山初安打、原口も執念見せた
「セCSファイナルS・第1戦、ヤクルト7-1阪神」(12日、神宮球場)
「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」のファイナルS第1戦が行われ、阪神は初戦を落とし、アドバンテージを含めて0勝2敗となった。CSではセ・パ通じて、1位球団以外がファイナルS初戦黒星から突破したのは、1例だけで突破率は3・4%。狭き門となったが、打線は大山悠輔内野手(27)が今CS初安打を放つなど9安打。奇跡へとつながる決定打が待たれる。
“進撃の虎”が王者・ヤクルトの前に小休止だ。ファーストSを突破した勢いのまま神宮に乗り込んだが、先発・西勇がまさかの4回KO。序盤の大量失点が重くのしかかり、鉄壁リリーフ陣を投入する展開に持ち込むことはできなかった。
「結果的には山田への四球がもったいないなあって。いい追い込み方をしたから。本塁打は結構うまく打たれたんで。言うほど簡単じゃないんだけど」
初回2死から山田、村上への連続四球の後、オスナに先制3ランを被弾。ファイナルS初戦を絶大な信頼を寄せる右腕に託しただけに、矢野監督は悔しそうに振り返った。
CSとなった07年以降、過去29度のセ・パ両リーグでのファイナルSで、シーズン1位以外の球団が初戦黒星から突破したのは、17年のDeNAだけ。突破率は3・4%。厳しい数字を突きつけられたが、開幕9連敗からスタートした今年に限れば、負のデータは慣れたものだ。この夜も明るい材料は見えた。
0-3の二回は先頭・大山が左翼線へ痛烈な二塁打。ファーストSで11打席無安打と沈黙した4番が、今CS初安打で復調気配を漂わせた。
続く原口は打席で13球も粘る執念を見せた。後ろにつなごうと際どいボールを徹底的にカット。最後はフルカウントからハーフスイングを取られてしまったが、いつも冷静な男が見せた怒りの表情からも、この一戦にかける覚悟は伝わってきた。
梅野、マルテの代打安打に「この試合で集中力がないヤツなんていない」と矢野監督。この夜はヤクルトを上回る9安打を放った。2併殺で好機をつぶすなど結果的にワンサイドとなったが、いずれも紙一重だった。
4点を追う三回に8、9番へ代打を送らなかったことを問われ、矢野監督は「4つ勝つという試合の中の采配なんで。ファーストSとは違うんだから」と語気を強めた。ここまでフル稼働していた湯浅、西純を温存できたことも次戦以降、プラスに働くはずだ。奇跡を起こすドラマはまだ終わっていない。
◆突破率3.4%… 2007年以降、セ・パ両リーグで過去29度開催されたCSファイナルSで、シーズン1位以外の球団が初戦黒星から突破した例は17年・DeNAのみで3.4%。セのみだと過去14度の開催で7.1%。1位球団に1勝のアドバンテージと4勝勝ち抜け制となった08年以降でも両リーグで3.8%となり阪神には非常に厳しい状況だ。
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