DeNAの“2つのミス”に乗じることができなかった阪神 高代延博氏の解説
「セCSファーストS・第2戦、DeNA1-0阪神」(9日、横浜スタジアム)
投手戦を制したのはDeNAだった。阪神はわずか2安打。唯一築いた七回の反撃機も、DeNA投手陣の絶妙継投にかわされた。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「阪神は相手のミスに乗じることができず、逆に三浦監督の英断にやられた」と語り、七回の攻防に注目した。
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阪神が放った安打は2本。いくら投手力を誇るチームと言っても、これで勝つのは難しい。
ただ、相手が犯した“2つのミス”に乗じることができなかったのは残念だったね。
DeNAサイドに見られた1つ目の“ミス”は五回の攻撃中にあった。無死二、三塁から大和の中前打で、二塁走者のソトを本塁で憤死させたシーンだ。
(その判定を巡り、コリジョンルールの適用を目的にしたリプレー検証が行われたが、タイミング的には完全なアウトだった)
あの状況で回すには明らかに無理があったと言える。
ソトを三塁で止めていれば、1点を先制したあとも無死一、三塁のチャンスが残り、追加点を取る可能性は大きかった。阪神サイドは大ピンチが1点ですんだのだから助かったね。
DeNAサイドの2つ目のミスは七回の守りで見られた。
阪神は無死から遊撃内野安打で出塁した中野が、糸原の初球に二盗を試みたが、捕手の伊藤光がピッチドアウト。ここまではよかったが、ボールを握り損ねて刺せなかった。
阪神にすれば「万事休す」が一転して同点のチャンス。試合が大きく動く空気が漂った。
その後、糸原の送りバントで一死三塁となったところで、DeNAベンチは大貫に代えて伊勢を投入した。
打者は現状阪神で最も頼りになる近本。ここが勝負どころと判断した三浦監督は、力で抑え込む伊勢の球威にかけたのだろう。負ければ明日がないのだから当然かもしれないけどね。
結果、初球の直球を打って三邪飛。多少甘かったが、ボールの勢いに押されたね。続く大山は中飛。大貫続投ならおそらく失点していたと思う。
この絶妙継投が、それまでの2つのミスを消し去り、DeNAに勝利を呼び込んだと言える。
伊勢は八回もマウンドに上り、三者連続三振で山崎につないだ。
今年のDeNAは、この試合に限らず、また阪神戦に限らず、投手力で“しのぎ切る”試合が多かった。チームが変わりつつあるということだろうね。
阪神にすれば、唯一のチャンスとなったこの七回の攻撃は、武器のひとつである足を使って仕掛けたものだ。
やるべきことをやって勝てなかったのだから、しかたがないと割り切るしかない。
阪神にまだ長打が出ていないのが気になるが、おそらく3戦目も投手陣による“しのぎ合い”になるんだろうね。
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