矢野阪神CS進出決定 史上最大の逆転Aクラス!退任表明から始まった異例ラストイヤーに偉業
巨人が1日のDeNA戦に敗れて阪神のCS進出が決定し、矢野燿大監督(53)は就任1年目の2019年から4年連続Aクラス入りを確定させた。チームはこの日、レギュラーシーズン最終戦となる2日のヤクルト戦へ向けて、甲子園で全体練習。前売りチケットは完売で、当日は試合終了後、矢野監督がポストシーズンに懸ける思いをスピーチする。
苦しみ抜いた末に、CS進出を決めた。2日の最終戦を待たずに3位が確定。2019年に始まった矢野政権は、05~08年の岡田政権以来となる4年連続のAクラスとなった。
超異例となる、キャンプイン前日の退任表明から始まった矢野阪神ラストイヤー。7点差をひっくり返された開幕戦から連敗地獄を味わった。開幕から7連敗以上を喫した球団のAクラス入りは、プロ野球史上初。一方でシーズン負け越しでのCS進出にもなる。
「素直に3位で喜んでどうするんだという自分もいるけど、この3位を素直に喜びたいなという自分もいます」。率直な感想を話した矢野監督だが、「選手が粘りに粘って作ってくれたチャンス。『俺たちの野球』で大切にしてきた、諦めないという気持ちを持ち続けてやってくれた結果が3位につながったと思う」と胸を張る。
2日に迎えるレギュラーシーズン最終戦。CS進出は果たしたものの、そこを勝ち抜き、日本シリーズへ進まない限り、監督として甲子園での最後のタクトとなる。
「辞めるという選択をしてからは一日一日、自分の中でカウントダウンという思いでやってきた。それが“1”になったっていうことかな」。143から始まったカウントダウンの間には、思いもよらぬ激しいアップダウンがあった。ついに迎える“ラスト1”を前に、指揮官は努めて冷静に思いを語る。
2日の前売りチケットは完売。「その思いに応えたいし、やっぱりいいものを見せて喜んでもらいたいというのは強くある」。すでにAクラス入りは決まったが、ファンが見たいのは今季69勝目となる勝ちゲーム。勝利で締めて、来るべき次の戦いに勢いをつける。