【佐藤義則氏の眼】今季の課題である得点力不足が重くのしかかる 

 「阪神4-10広島」(21日、甲子園球場)

 阪神は延長十一回の末に敗れて5位に転落し、今季の負け越しが決定。デイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(68)は「得点力不足が露呈している」と指摘し、「チーム防御率が2・70でこの負け数は考えられない」と断じた。

  ◇  ◇

 CS進出が懸かった最終盤に4連敗。いよいよ阪神は後がなくなった。残り4試合。すべて勝つしかない。

 今季、ずっと課題とされてきた得点力不足が露呈している。前日20日の試合同様、結果的に最後は投手陣が踏ん張りきれず、敗れた形となったが、それまでに得点できるチャンスは何度もあった。

 三回は無死一塁から近本が中飛、大山は併殺打。七回も1死一塁から再び3、4番が凡退。さらに延長十回の1死一、二塁も佐藤輝、梅野が連続三振に倒れた。たとえアウトになっても、なんとか走者を一つでも前に進めようという意識が感じられない。あまりにも攻撃が淡泊すぎる。

 対する広島は延長十一回1死一塁から小園に送りバントをさせた。2死になっても得点圏に走者を進めようというチームの強い意思が感じられた。結果、その送りバントが岩貞の悪送球を誘い、大量得点へとつながった。

 チーム防御率が2・70でこの負け数は考えられない。開幕からの課題を解消できなかったことが最後に重くのしかかっている。

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