阪神・佐藤輝、糸井魂受け継い打ァ! 近大先輩からの猛ゲキに奮起「兄貴のような存在」

 8回、島田の犠飛で生還する佐藤輝(撮影・田中太一)
 8回、二塁打を放つ佐藤輝(撮影・飯室逸平)
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 「阪神3-6広島」(13日、甲子園球場)

 ようやく快音が響いたのは1-6となった八回だった。1死一塁での第4打席、阪神・佐藤輝は5番手・矢崎の151キロ直球を捉え、右中間を破る二塁打。続くマルテの適時打、島田の犠飛で3点差まで追い上げたが、逆転勝利には届かなかった。

 この日午前、近大の先輩で自主トレも共にした糸井が会見を開き、今季限りでの引退を発表した。坂本らとともに花束を手に会見場に駆けつけた佐藤輝は「本当に寂しい気持ちですけど、たくさん考えられて出した結論ですし、お疲れさまでしたという気持ちが一番」と労をねぎらった。

 「年は離れていますけど、兄貴のような存在」と慕う糸井からは「もっと練習せい!」「テル、頑張れよ!」とハッパを掛けられた。投手から野手に転向後、豊富な練習量で成功を収めた先輩の言葉は重い。会見後は甲子園で早出特打に参加し、全体練習開始前からバットを振り込んだ。

 しかし、簡単に結果は伴わない。何よりも最も期待されている一発が出ない。8月20日・巨人戦(東京ド)で放った18号を最後に20試合、85打席ノーアーチとなった。

 糸井からは「球界を代表するような選手になってほしい」とエールも送られた。「野球に対する情熱が素晴らしい方なので、自分も何歳になってもそういう選手でいたい」。憧れの先輩を快く送り出すためにも、残り9試合を全力で戦い抜く。

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