【新井貴浩氏の眼】執念感じる阪神・木浪の強い目力 10球粘って値千金の押し出し四球
「阪神9-1ヤクルト」(7日、甲子園球場)
阪神が連敗を3で止め、転落の可能性があった3位の座を死守した。デイリースポーツ評論家・新井貴浩氏(45)は四回のビッグイニングで木浪聖也内野手(28)が選んだ押し出し四球を「値千金」と称賛。現状ではベンチを温めることも多いが、新井氏は「彼の目は決して死んでいない」とさらなる飛躍を期待した。
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木浪はいい目をしている。四回に2点タイムリーを打った梅野も見事だった。2死満塁から走者一掃となる3点三塁打を放った近本もナイスバッティングだった。ただ、その中で最も値千金だったのは先制の押し出し四球をもぎ取った木浪だ。
3球で追い込まれてからよく粘った。フルカウントから4球ファウルでカット。10球粘った末につかんだフォアボールから執念に近いものを感じる。
この押し出し四球で先制できたことが、梅野の気持ちを楽にしたのではないか。もし凡退していたら1死満塁。梅野は、次打者が投手・伊藤将であることからプレッシャーを感じてしまっていたかもしれない。四回は6点を先制。打線のつながりという点で大きな価値のある打席だった。
木浪からは『またポジションを奪ってやる』といった強い目力を感じる。新人だった2019年シーズンは遊撃のレギュラー。一方で今季はこの日で出場32試合。中野が入団した昨季からは二塁に回ったり、ベンチで控えたりする機会が増えているが、彼の目は決して死んでいない。
そして完投勝利の伊藤将。右打者のインサイドを突いたカットボールが効果的だった。彼らしい攻めるピッチングが光った。
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