阪神・青柳「大胆にいきたい」今季ノーアーチ“村上キラー”がCS進出&投手3冠へ弾みつける

 にこやかにキャッチボールする青柳(撮影・飯室逸平)
 練習の合間に笑顔がはじける青柳(撮影・飯室逸平)
 (後方左から)伊藤将、才木らとノックを受ける青柳(撮影・飯室逸平)
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 阪神は5日、甲子園で投手指名練習を行った。6日・ヤクルト戦(甲子園)で先発する青柳晃洋投手(28)は、51本塁打を放っている“村上封じ”で13勝目を狙う。昨季は3被弾したが、今季はノーアーチに抑えている。井上ヘッドコーチの「真っ向勝負指令」の下、相手4番を封じ、チームのCS進出、自身の投手タイトル3冠へ弾みをつける。

 快晴の空の下、青柳は伊藤将とのキャッチボールを行い、首位・ヤクルト戦への態勢を整えた。勝負のカギは、51本塁打を放っている敵の4番をどう封じ込めるか。報道陣が相手主砲の名前を出す前に、右腕自ら「村上」の名を挙げて警戒心を高めた。

 「みなさんが聞きたい村上くんのことも、もちろん警戒しています。あれだけ絶好調というか毎試合、ホームランを打っているような感じなので。でも、実際ソロだったら1点ですし。村上の前で走者を出さないようにってくらいで、あとは大胆にいきたいです」

 今季は対戦成績が良化している。昨季は打率・533、3本塁打で、奪三振はなし。だが、今季は9打席対戦して打率・286、0本塁打で3奪三振。「今年はまだホームランは打たれていない。そういう部分では今年の(対策の)考えは成功しているのかな」と村上封じへ手応えをつかんでいる。

 チームは前カードで巨人に連敗。4位・広島、5位・巨人に2ゲーム差に迫られた。「僕が投げた試合は勝つというイメージで」。真っ向勝負を期待する井上ヘッドコーチら首脳陣の期待に応えて村上を封じ、CS進出へ勢いを加速させる意気込みだ。

 自身は8月9日・DeNA戦(横浜)から4試合連続で白星がないが、前回の同30日・広島戦(甲子園)は7回4安打無失点と好投。「最近は考えすぎだった。開き直って投げたら結構、いい投球ができた」と自然体の投球が奏功したという。

 12勝、勝率・800、防御率1・61はいずれもリーグトップでタイトル3冠の最有力だ。「一戦一戦で勝っていけば、おのずとタイトルは取れると思う」。また、1975年・安仁屋宗八(1・91)以来となる、球団の規定投球回数到達投手で防御率1点台も現実味を帯びてきた。

 阪神が村上と甲子園で対戦するのは、7月31日に投手陣が3打席連続本塁打を浴びて以来となる。今季の残り16試合のうち、ヤクルト戦が最も多い6試合。エースが今後へ向けて悪夢を払拭し、チームを上昇気流に乗せる。

 ◆阪神投手の防御率1点台 シーズン規定投球回に到達した阪神投手で防御率が1点台だったのは1975年・安仁屋宗八の1.91(最優秀防御率獲得)が最後。直近のセ他球団では20年最優秀防御率の中日・大野雄が1.82、2位の広島・森下が1.91、3位の巨人・菅野が1.97で3人が記録。4位の阪神・西勇は2.26だった。

 ◆ヤクルト・村上の7・31甲子園3打席連発 7月31日・阪神戦の七回に渡辺から35号ソロ、九回に岩崎から36号同点ソロ、延長十一回に石井から37号決勝2ラン。8月2日・中日戦は初回に38号、三回に39号をいずれも柳から放ち、NPB新記録5打席連続本塁打をマークした。

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