阪神 村上一人に止められた 3打席連続被弾で逆転負け 奇跡へ「今まで以上に」再神撃や
「阪神2-4ヤクルト」(31日、甲子園球場)
ウソやろ…。阪神が村上に3本塁打を許して逆転負け。連勝が5でストップした。2点リードの七回は渡辺がソロ、九回は守護神・岩崎が同点ソロを被弾。延長十一回には石井が勝ち越し2ランを浴びた。首位・ヤクルトとは再び10ゲーム差となったが、それでも7月は8つ勝ち越した。切り替えて勝負の8月に臨む。
えげつない打球が右翼方向へ高々と打ち上がる。一瞬の静寂のあと、甲子園のスタンドからは悲鳴だけでなく、虎党からも思わず感嘆の声が漏れた。
1点リードで迎えた九回。当然のようにマウンドには守護神・岩崎の姿が。奇跡へとつながる3連戦3連勝まで、あとアウト2つ。ここでヤクルトの主砲が立ちはだかった。
岩崎が投じた初球、インハイへの直球を完璧に捉えた打球が右翼席に突き刺さる。この日の甲子園上空は強い浜風が吹いていた。逆風もお構いなしにぶち込んだ驚弾で、勝利は目前で霧散。今季初被弾となった岩崎は7月最終日で月間初失点となった。
試合を決められたのも村上だ。延長十一回2死一塁。石井が2ボールのカウントから真ん中高めに失投。左翼席への2ランは矢野阪神、そして虎党の夢を打ち砕く一発となった。七回無死で1点差に迫られたソロも、先発のガンケルから代わった“ワンポイント”の渡辺が村上から浴びたものだった。
1試合3発、全4得点を一人の本塁打で挙げられた痛すぎる敗戦。矢野監督は「いやぁ、まあそれは見事やしね」と相手主砲をたたえた後に「勝負にいった結果なので受け止めて。でも、これから対策を練らないと。まだまだ当たるんで」と唇をかみしめた。
振り返れば四回に2点を先制後、取れるところで追加点を奪えなかったことが響いた。五回は相手のミスもあり、2死満塁としたが、佐藤輝が空振り三振に倒れた。「やっぱり負けるには理由があるし。あそこで点を取れていないっていうのも、チームとして反省していかなアカン」と指揮官はうなずく。
大事な首位ヤクルトとの後半戦最初のカード。勝ち越したとはいえ、8ゲーム差となるはずの3連勝が目の前で消え、1ゲームしか詰められずに10ゲーム差に逆戻りとなった。
「いい形でできていることは多いので、そこは今まで通り…今まで以上にやっていきます」と矢野監督は必死に前を向く。それでも奇跡のドラマを目指す阪神にとっては、大きなダメージの残る一敗となった。