【岡田彰布氏の眼】阪神・大山の状態が少し気がかり 自分から崩れにいくような打撃
「広島3-3阪神」(23日、マツダスタジアム)
阪神は引き分けたが、序盤の好機で得点を奪えていれば、勝てた試合だっただろう。特に6月は絶好調だった大山の状態が少し気がかりだ。
2点を先制後の初回1死三塁は広島の内野が前進していたが、カウント1-1から3球目の内角高めの直球に詰まって浅い右飛に倒れた。三回1死満塁では空振り三振。特に気になったのは、同点の七回2死一、二塁だ。
2ボールから森の高めのチェンジアップを引っかけて三ゴロに倒れた。この場面は1球見送ってストライクを取られても打者の方が有利なのだが、見送ればボール球のようにも見えた球を追いかけるように打った。
大山は「狙い球を絞る」というより、「バッティングカウントなら打ちにいく」と決めているのかもしれないが、七回は決して無理して打ちにいく場面ではない。余裕があれば、ああいう打撃にはならなかっただろう。
大山は構えた時にバットのヘッドが投手方向に入っているため、追いかけるような打撃になるとバットの軌道が波を打って、高いバウンドのゴロになるケースが多く、今日はそういう打撃に見えた。
いい時は無心で自分のポイントで打てていたが、今日のように自分から「打ってやろう」と崩れにいくような打撃をしては状態が狂ってしまう。
これまでの大山の打撃を振り返ると、調子の波が大きいことが気になっている。一球、一打席でバッティングは崩れるもの。調子がいい時ほど、謙虚な気持ちを忘れずに打席に立ってもらいたい。