阪神・青柳が好調の理由 「キャンプで勝負しなくていい」大きかった首脳陣の言葉

キャッチボールする青柳(撮影・山口登)
 青柳(右)が見る中で力投する大野雄=5月6日
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 阪神の青柳晃洋投手(28)が「エース」をテーマに本心を語った。ここまでハーラートップタイ7勝、防御率0・89、勝率・875の投手3冠とエース級の活躍を見せている。

  ◇  ◇

 ここまでの試合で印象に残っているのは、大野さん(中日・大野雄)と投げた試合です※。1点取られたら負けると思って投げていました。ただ、あの試合はサヨナラ負けしたことより、大野さんに投げ勝てなかった悔しさが大きいです。

 僕の中で、沢村賞のイメージが大野さん。チームの勝利のために投げきる、1点ビハインドでも最終回まで投げきるという投球をよく見ていたので、そういうピッチャーになりたいなっていう憧れの部分があって。その大野さんに投げ勝つっていうところが、あの試合の目標だったので。

 試合の後、野手のみんなからは「本当ごめん」、「申し訳ない」という言葉を掛けられました。けど、相手が良いピッチャーだったらしょうがないことなので、野手に謝られるのもおかしな話だなと思いますし。

 監督とはその日は話さなかったんですけど、新聞記事で「謝る必要ない」と言ってくれていたのを見て。でも、僕の中では、延長十回もマウンドに上げてもらったのに、簡単に1点を取られたことが本当に申し訳ないなと。あそこは任せてもらったからこそ、最後まで投げきりたかった。ゼロで抑えて帰りたかったというところに対しての「すみません」だったので。本当に任せてもらったことを意気に感じましたし、こういう悔しさは去年まではなかったかなと思います。

 大野さんだけでなく、相手エースとの投げ合いは意識しますね。その投手に投げ勝ちたい気持ちはすごい強いですし、その人より良いピッチングができたらチームの勝ちにもつながると思うので。野手が点を取ってくれて何とか勝てたというよりも、当たり前のように抑えて、当たり前のように勝ちたいなとは思いますね。

 今年の好調の理由としては、首脳陣から「キャンプで勝負しなくていい」って言われたことが一つあるのかなと思います。去年までだったら、開幕ローテを勝ち取るという立場。キャンプで勝負して、オープン戦で結果を出して、開幕に入っていくというところがメインだったので、キャンプでは結果を出すための体作りになっていました。

 それが今年に関しては、結果を出さなくていい、開幕ローテは決まっているというところから始まっていたので。そこで、配球とか自分が苦手としているもの。例えば、左打者のインコースに投げきれなかったりとか、そういう練習に充てる時間がすごい多かった。言い方は悪いですけど、ローテが決まっているからこそ、できたことかなとは思います。

 結果として、キャンプで練習したボールが配球の一部になっている。インハイの真っすぐだったり、インコースのカットボールだったり、逆にアウトハイで空振り三振取ったりとか、そういうのは練習していて思い描いていた配球だったので。僕もそれを投げきることができていますし、キャッチャーも自信を持ってサインを出してくれているのが伝わってくるので、うまくいっているのかなと思います。

 ※5月6日・中日戦(バンテリン)は大野雄との白熱の投手戦となった。九回まで完全投球を見せた大野雄に対して、青柳も九回まで2安打の好投。お互いにマウンドを譲らず、0-0で迎えた延長十回に青柳がサヨナラ負けを喫した。

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