【中田良弘氏の眼】阪神 投手陣の粘りが呼んだ勝利
「オリックス2-3阪神」(11日、京セラドーム大阪)
阪神が延長の末、オリックスに勝利した。2-2の延長十一回、佐藤輝の代走で出場した熊谷敬宥内野手(26)が二盗を敢行。送球がヘルメットに当たって外野を転々とする間に三塁を回って一気にホームを陥れた。ヤクルトが勝ったため交流戦初優勝はならなかったが、リーグ戦では今季初めて最下位から脱出した。
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球界屈指の好投手・山本相手に先制点を奪われ、苦戦必至と思われた展開で逆転勝利を収めた。同点に追いつく反撃の一打を放った佐藤輝や、選手の投入を惜しまない積極的な采配を振った矢野監督も評価されてしかるべきだが、私は投手陣の粘りを一番にたたえたい。
伊藤将は立ち上がりに味方の失策が絡んだピンチで先制打を浴びた。少しボールが上ずるなど、本調子ではなかった。それでも懸命に腕を振り、ボールを低く集めようとする姿があり、その後は五回の1失点を含む2失点でバトンをつないだ。
加治屋、渡辺、石井、アルカンタラ、岩貞、岩崎。強力な救援陣はオリックス打線に追加点を与えなかった。きょうに限らず、投手陣全体は安定した結果を残しており、これが八回の同点劇につながった。心からの拍手を送りたい。
打線は山本相手に苦戦を強いられたが、八回は昨日に続いて2死からの得点で同点に追いついた。相手のミスが重なったものの、2死から得点できるチームには勢いが出る。つながりを欠いた一時期にはなかったシーンで、確実に調子は上向いてきていると言える。今後、さらに投打がかみ合えば、7個まで減ってきた借金の完済も近い。
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