「ソフトバンク０－２阪神」（７日、ペイペイドーム）

　阪神は完封リレーで今季２度目の６連勝を飾り、交流戦首位タイに浮上した。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏がソフトバンク－阪神戦で本紙の解説を務めた。再三走者を出しながらも、６回を６安打無失点に抑えた西勇輝投手の打者との駆け引きを称賛。その一方で、投球リズムに影響を与えた野手陣のプレーを今後の課題に挙げた。

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　西勇は走者を出しても大崩れせず、走者を意識した中で打者と駆け引きする技術が超一流だ。

　周東に二盗を許した五回２死一塁の場面。当然走ってくるところだが、西勇のけん制が速いから周東は警戒して芝生の部分まで出られないほどリードが小さかった。１球目に超クイック、２球目にフォームを大きくして投げて、３球目は再びクイックと、投球のタイミングを変えて周東に間を与えなかった。５球目でやっとスタートを切れた形だ。

　けん制は１球のみ。走者にとって、けん制が多いほど目が慣れてタイミングが計りやすくなる。しかしこの試合、バッテリーはけん制を控えながら警戒させた。そして、走られても打者・柳田をフルカウントから見逃し三振。コンビを組んだ梅野のリードもさえていた。

　７試合連続クオリティースタートの西勇だが、これまで好投しながら勝ち星に恵まれない試合が多かった。この要因に、野手の紙一重のプレーがリズムを崩している点がある。

　例えばこの試合も二回、糸原がエンドランのサインで中飛を打ち上げた。三回は無死一塁で島田のバントが捕邪飛に。四回は１死一塁で大山が併殺。序盤に先制したい場面でチャンスを摘んでしまった。

　西勇は剛速球投手ではなく、制球とキレで勝負するタイプ。六回を過ぎて球数が増えると、どうしても疲れが出てキレが落ちてくる。それだけに、チームとしては序盤に先制したい。そうすれば西勇のペースですいすいといけるはずだ。

　守備では二回２死から牧原大に右越え三塁打。あれは右翼の島田が打球の伸びを計ってジャンプしていれば捕れていた当たり。そこでチェンジになるはずが、次打者に四球を与え、結果的に球数を増やすことになった。

　島田も糸原も、能力があるからこそベンチとしては信頼してサインを出している。６連勝できたが、ワンプレーの大切さを見直したいところがあった。