阪神・矢野監督「俺の中の反省」からの攻めダルマ 八回、片山以外の野手を使い切る執念の逆転劇

 8回、選手交代を告げる矢野監督(撮影・飯室逸平)
 大山と勝利のハイタッチをかわす矢野監督(撮影・飯室逸平)
 8回、勝ち越しとなる四球を選び、雄叫びをあげる島田(撮影・田中太一)
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 「阪神9-7日本ハム」(3日、甲子園球場)

 矢野監督の攻めのタクトが逆転劇を呼んだ。焦点は八回、1死から大山が1点差に迫る12号ソロを放った。さらに続く糸原が安打で出塁すると、すかさず代走・熊谷を送った。

 ロハスの安打で1死一、二塁となったところで代打に糸井。四球で満塁となると、投手の渡辺に代打・山本、二塁走者のロハスに代走・植田、一塁走者の糸井に代走・坂本とたたみかけた。この時点でベンチに残っていた野手は捕手の片山だけ。鬼の攻めダルマと化した矢野監督のタクトに選手が導かれるように代打・山本が同点適時打、さらに島田は満塁スクイズに失敗するも執念の押し出し四球で決勝点。さらに近本にもダメ押しの適時打が生まれた。

 矢野監督は「俺の中の反省も。この前、拳弥(長坂)に代走を出さなかったのを、あそこはちょっと俺も“まだ行けるんじゃないか”“まだ代えどころがある”と思ったし。“拳弥でもかえれるんじゃないか”というのもあった。あそこは自分でも反省して、あのゲームから行くべきところは行くっていうところは、ここは行った中でどう考えるかっていうのが、いっぱいね、オレの責任でしちゃったけど、自分なりに反省して、次どうするかっていうのを考えたところではそういうふうにやっていかないとなというふうに考えさせられた試合だったんで。そういうところではいくしかないかなと」と説明する。

 そのシーンは5月26日の楽天戦。0-0の八回、二塁走者の長坂に代走を送らず、近本の左前打で本塁を狙った長坂が憤死。同点にすることができず完封負けを喫した。

 この日は指揮官が積極的なタクトを見せたことで、大逆転勝利を呼び込んだ。「野手にもそういう話をしたので、それはさっき言ったように自分自身にも繋がるし、監督やらせてもらってからずっと言い続けてる『超積極的』っていうのはオレたちの野球の中でも大事にしたいテーマなので。そういうところもそうだし、諦めないっていう試合をやってくれたし、全員野球をやってくれたし、ホントに『俺たちの野球』っていうのを、しっかりやってくれたなと」と目を細めていた。

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