【岡田彰布氏の眼】阪神“腹八分目”の敗戦 糸井使う駆け引きあっても良かった

 大勢のファンが見つめる中、マウンドへ向かう西勇(16)=撮影・吉澤敬太
 8回、併殺に倒れた坂本
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 「阪神0-3ヤクルト」(3日、甲子園球場)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が3日、阪神-ヤクルト戦を解説した。

   ◇  ◇   

 阪神は開幕戦で攻略した小川を攻略できなかった。小川は中12日の登板でボールのキレが良く、2段モーションで直球が走ると、打者はタイミングが取りづらい面もある。バッテリーを組んだ中村も、変化球を打たれた前回の反省を生かして直球で押し、それに阪神の打者が対応できていなかった。

 6連勝中とはいえ、こういう試合もある。ただ、戦力を使い切らず、“腹八分目”の敗戦に映った。

 疑問が残ったのは、3点を追う八回無死一塁。8番・坂本をそのまま打席に立たせて遊ゴロ併殺に終わった場面だ。

 無死一塁から好機を拡大できれば、上位打線につながる。ベンチには小川を攻略できていなかったからこそ、動いてほしかった。ロハスも使っていなかったし、原口も含めれば捕手はベンチに2人残っていた。

 そして糸井を使わなかったことも気になった。コンディションが整っていないことが欠場の理由だそうで、どのような状態かは分からない。だが、試合前には通常の練習をこなし、ベンチ入りもしていた。ヤクルト側は「糸井は元気」と思っているはずだ。

 ならば、「バットを振らなくていいから糸井を打席に立たせる」という選択があってもいい。私が阪神の監督時代に、死球を受けて骨折した金本に「打たんでええ。打席に立っとくだけでええから」と言って試合に出したことがあった。相手からすれば、金本が打席に立つだけで脅威となるからだ。

 今の糸井は状態がいいし、打席に立つだけで小川が警戒して四球を与えてくれるかもしれない。得点を奪えずに迎えた試合終盤だけに、簡単に負けるのではなく、そういう駆け引きがあっても良かったのではないか。出し惜しみをしたように映る敗戦だった。

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