阪神・青柳あっぱれ!かつて捕手をゴールキーパーと呼ばせた男を高代氏が大絶賛
「巨人2-3阪神」(29日、東京ドーム)
阪神が佐藤輝、大山のアベックアーチと迫力ある青柳の2試合連続完投で巨人を押し切った。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「青柳の安定感はチームの中で群を抜いている」と絶賛。「彼こそがエース」と言い切った。
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巨人が打線をいじってきた。左打者をズラリと並べていたが、ポランコや坂本まで外していたね。青柳対策なのか、選手の疲労を取り除く目的なのか。その両方だとは思うが、青柳の安定した投球に変化は見られなかったね。
青柳の投球は意図的に投げるケース以外、ほぼすべて低めにコントロールされていた。失投につながる危険な球が少なかった。
ツーシームを主武器としているが、速くてスッと外へ逃げるタイプと、少し挟んでいるような遅いタイプの2種類があるのかな。これにスライダーやシンカーをうまく混ぜている。
安定感ではチームで群を抜いていると言ってもいい。これも本人の努力のたまものと言えるだろうね。
入団当初は今とは正反対で、コントロールに苦しんでいた。ブルペンで投球練習をしていても、ときどき捕手がダイビングして捕球するほどボールが暴れていたからね。
“青柳と組んだ捕手はまるでゴールキーパー”
冗談ではあるが、そんなふうに言われていたこともあったほど。
投ゴロやバント処理でも一塁への送球がままならない。至近距離から放れない。
しかし、こういう状態でも彼は黙々と、そしてコツコツと努力を重ねていたね。1人で壁に向かって投げる“壁当て”などをずっとやっていた。
コーチはある程度まで教えることはできるが、その先は自分自身で消化して身につけるしかない。それを青柳は時間をかけて実践し、見事に克服した。
この日の試合では内野が青柳の足を引っ張ったね。五回無死一塁で松原の二ゴロを処理した小幡の中野への送球が、やや三塁側へそれた。併殺のチャンスが一転して無死一、三塁となったが、このピンチを最少失点でしのいだ青柳は立派だった。
フェンスに激突しながら好捕した近本のファインプレーも見逃せないが、投手と野手がお互いにカバーし合うのがチーム。そんな一面を見る試合だった。
青柳は昨年の最多勝投手。すでに好投手の仲間入りをしているわけだが、今年はさらによくなっている。
前回登板でヤクルト打線を狭い神宮球場で完封。そして巨人打線相手に完投。開幕投手に指名されただけのことはあるね。
地道な練習を継続することで自信をつけ、体力と精神の両面でスタミナもついてきた。投球に専念できるようになったのがよかったのでしょう。エースと呼ぶにふさわしい内容だったと思う。
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