【佐藤義則氏の眼】制球力あり崩れない桐敷 先発で十分やっていける

 「オープン戦、オリックス2-1阪神」(20日、京セラドーム大阪)

 阪神のドラフト3位・桐敷拓馬投手(22)=新潟医療福祉大=が先発し、5回無失点で開幕ローテ入りを確実にした。主力が並んだ昨季のパ・リーグ王者を3安打に抑え、三塁を踏ませない堂々とした投球を展開。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(67)は「キレ」と「制球」を高く評価し「先発ローテの一角として十分にやっていける」と分析した。

  ◇  ◇

 桐敷は先発ローテの一角として十分にやっていけるだけの内容を見せた。去年の優勝メンバーをほぼそろえたオリックス打線に対して5回無失点だからナイスピッチングという言葉しかない。

 ゆったりしたフォームからキレのいい球を投げ込んでいた。球速自体は145キロも出ていないんだけど、見た目はそれ以上の速さに感じるのはスピンが効いているからだろう。相手打者も軒並み差し込まれていた。

 四球を出すイメージがないのもいい。抜ける球も少なく、ストライクゾーンの中にしっかりと投げ切れている。四球は初回、先頭の福田に与えた1個だけ。これもファウルなどで9球粘られた末の四球だから、それだけストライクを投げられていた証拠といえる。制球が良く、四球から崩れる心配のない投手はベンチも安心してマウンドに送り出せる。

 三回には福田からフォークで見逃し三振を奪ったけど、欲をいえば、この球を決め球にするなら、空振りを取れるくらいに、もう少し落ちてくれればというのはあるけどね。

 新人ながら開幕ローテ入りが確実ということでプレッシャーもかかるとは思うけど、他にもいい投手がたくさんいる中での抜てきなのだから、意気に感じて、ぜひこのチャンスをものにしてほしい。

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