【中田良弘氏の眼】桐敷は独特のストレートを武器にすべき、課題は変化球

 楽天打線相手に力投する先発の桐敷(撮影・飯室逸平)
 楽天に勝利し、矢野監督(左)とタッチを交わす桐敷ら(撮影・高部洋祐)
4回、小深田を中飛に仕留め、野手に合図を送る桐敷
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 「オープン戦、阪神3-1楽天」(6日、甲子園球場)

 デイリースポーツ評論家の中田良弘氏(62)が6日、甲子園で行われた阪神-楽天のオープン戦で本紙の解説を務めた。先発し4回1安打無失点の快投を見せたドラフト3位ルーキー・桐敷(新潟医療福祉大)のマウンドさばきに合格点を与えつつ、カット気味に横滑りする独特のストレートについて解説。自分の武器にするべきと提言し、今後の課題については変化球の精度とキレを挙げた。

   ◇  ◇   

 桐敷はルーキーだが、非常にマウンドでどっしりとしていた。新人選手を見る際はまずそこに着目するのだが、四球で崩れるという心配はないし、投げっぷりも良い。十分、先発ローテ候補としてやっていけるのではないだろうか。

 この日を見る限り、ストレートがきれいな軌道ではなく、ややカット気味にズレているように映った。通常、あれだけ真っすぐで押せばフライアウトが多くなるが、内訳を見るとゴロアウトが5つ、三振が3つ、そして飛球は4つ。バッターがストレートと判断して打ちに行った中、ボールが横滑りすることで芯を外れ、内野ゴロが多くなったと考えられる。

 これは“自らの特性”と考えて、今の段階では修正しない方がいい。むしろ右バッターに対してはインサイドに食い込んでいくことになるわけだから、大きな武器になる。

 一方で課題を挙げるとすれば、変化球のキレと精度。三回、西川に投じた2球目のスライダーや、四回2死から辰己を空振り三振に仕留めた同球種が決まり出せば、もっと楽に投球ができる。

 この日のように直球で押すのもいいが、先発ローテで回っていくと、蓄積疲労で球威が落ちてくるケースがある。その時にどういう投球ができるか-。うまく変化球を使いながら新たな一面を見せられるかが、今後のポイントになるだろう。

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