阪神・伊藤将が勝てる理由 中田良弘氏「新人らしからぬ武器の多さ」を指摘
「広島2-7阪神」(24日、マツダスタジアム)
逆転優勝を目指す阪神が4連勝とした。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏(62)は、奇跡への望みをつないだ阪神・伊藤将司投手(25)の投球を称賛。ルーキー左腕活躍の秘けつは「武器の多さ」にあると分析した。
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新人の伊藤将が10勝に到達した。この成績は驚きよりもむしろ、当然とも思えるマウンドさばきを備えている。
感心したのは二回だった。3点の援護をもらった直後、坂倉にソロ本塁打を許した。さらに、堂林にヒットを打たれ、その堂林が簡単に、盗塁を決めた。
左投手だから、堂林の動きは見えていたはずだ。伊藤将の視界の中で、いいスタートを切られたというのは「癖が分かるのかな?」など疑心暗鬼にもなり、動揺につながる。ところがそれ以降も、何もなかったように好投を続けた。この心臓の強さが素晴らしい。
加えてカウントを悪くした時、いつでもストライクを取れる変化球を一つ持っていたい。ところが伊藤将は一つどころか、スライダー系、シンカー系と多彩な球種でストライクを取れる。これはベテランでもなかなかできない。だから140キロ前後の直球でも押していける。
この武器の多さが、勝利の数に直結しているのだ。