藤浪162キロ 剛球連発で阪神2軍の日本一に貢献 1軍逆転Vの救世主に

ロッテ打線を封じ込める藤浪(撮影・高部洋祐)
ファーム日本一を決め、タッチを交わす(右から)藤浪、平田2軍監督ら(撮影・高部洋祐)
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 「ファーム日本選手権、ロッテ2-3阪神」(9日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎)

 首位争いを繰り広げる阪神の救世主は、やはりこの男しかいない!?阪神の藤浪晋太郎投手(27)がロッテとのファーム日本選手権で七回から2番手として登板。最速162キロの直球を軸に、1回を2奪三振で三者凡退に仕留めた。今後は先発として調整を続けるが、宮崎の地から1軍本隊へ合流する準備はできている。

 劣勢の空気がガラッと変わった。「投手・藤浪」がコールされると、ロッテファンのどよめきと虎党から拍手が湧き起こる。藤浪の登場で、ロッテへ傾きかけた流れに待ったをかけた。

 先発・村上が六回に2点を失い、6回2失点で降板。七回の攻撃も好機を生かせず、ファーム日本一が遠のきかけた。そこに現れたのは、197センチの長身右腕。投球練習から観客をくぎ付けにした。

 「あまり余計なことは考えずにマウンドに上がりましたし、それがいい方向に向いたのかなと思います」

 無心で腕を振った。先頭・山本斗への初球に159キロを計測。2球で追い込み、最後は161キロのストレート。鈍いバットの音が球場に響き、二ゴロに斬った。続く大阪桐蔭の後輩・福田光は155キロ真っすぐで空振り三振。7番・西川の6球目には「162キロ」がビジョンに表示された。2軍では別次元の数字だ。そしてカウント2-2から153キロの速球を低めへ投げ込んで三振に仕留め、お役御免。ベンチでは白い歯もこぼれた。

 ファーム日本一がかかったマウンド。ただ大阪桐蔭時代に甲子園を制した男に、重圧などなかった。8日には平田2軍監督や安藤2軍投手コーチがクローザーでの起用を示唆。試合展開を考慮し、七回での起用となったが「与えられたところで自分の仕事ができればという思いで、マウンドに上がりました」と淡々と振り返った。

 今後はみやざきフェニックス・リーグに帯同し、先発として調整を続けていく方針。しかし右腕の本来の居場所は宮崎ではない。1軍は神宮で首位・ヤクルトとの天王山の真っ最中。8日には自力Vの可能性が消滅したが、残りは12試合ある。まだ諦めるわけにはいかない。

 「自分ができることは限られていますが、自分のできることを一生懸命やっていくしかないと思っています」。結果を残した先に、救世主として1軍へ。矢野監督の胴上げのためにも、藤浪の力が必要だ。

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