阪神・矢野監督、岩崎温存が裏目 逆転負け連勝止まって神宮首位決戦 高橋に託す

 8回、自らマウンドに出向き、声をかける矢野監督(撮影・飯室逸平)
 8回、ソトに逆転2ランを浴びる及川
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 「DeNA4-3阪神」(7日、横浜スタジアム)

 あまりに痛い敗戦で連勝が「5」でストップだ。阪神は1点リードの八回1死二塁で、矢野燿大監督(52)が自らマウンドに向かって及川に声をかけたものの、ソトに逆転2ランを許す結果となった。8日にも自力優勝の可能性が消滅するヤクルト3連戦は、高橋に大事な初戦のマウンドを託す。優勝に向け、もうこれ以上は負けられない。一丸野球でぶつかるだけだ。

 歓喜のソトがダイヤモンドを周回する中、打球の行方をぼう然と見つめた及川はマウンド上でしばらく動くことができなかった。

 1点リードの八回。1死二塁としたところで矢野監督がベンチを出る。その足が向かったのはマウンドだ。「思い切っていけ!」-20歳の左腕に声を掛けるとポンポンっと手を2度たたいて、足早にベンチへと戻った。

 マウンド上の投手へ直接、声を掛けて鼓舞するのは監督就任後2度目のこと。今年の7月3日・広島戦、2点リードの七回2死満塁の場面で伊藤将に「お前に任せたぞ!」と激励すると、ルーキー左腕はピンチを脱した。

 だが今回は“神通力”は通用しなかった。外角への一球を捉えた打球が、勢いよくバックスクリーン手前のフェンス奥で弾む。あまりにも無情すぎる痛恨の逆転2ランで、6連勝は目前で霧散した。

 連投が続く岩崎を温存するために、アルカンタラで六、七回をしのぎ、八回を及川に任せたことが裏目に出た。痛恨の逆転負け。それでも試合後、矢野監督は努めて冷静に言葉をつないだ。

 「結果的に打たれちゃったけどね。思い切って勝負にいけという中での結果だから。それは俺も踏まえている」

 阪神敗戦から約20分後。神宮では執念のサヨナラ勝ちに、ヤクルトナインが沸いた。これで8日からの神宮決戦で阪神が3連勝しても、首位奪取はかなわないことになった。

 明暗くっきりの状況で運命の直接対決を迎えるが、下を向いてはいられない。初戦は目下27イニング連続無失点の高橋を中5日の登板でぶつける。大事な初戦を託された左腕は「本当にもうやるだけなんで」と腕をぶす。

 8日に敗れるか引き分けで自力優勝の可能性が消滅し、ヤクルトにマジックが点灯する。指揮官は自らを奮い立たせるように言った。「俺らが今までやってきた野球を思いっ切りぶつけるっていうことしかできないんでね。まずは初戦をしっかり取れるように」。まだまだ終わっちゃいない。遥人の快投から奇跡のドラマを紡いでみせる。

 ◆3連勝でも首位なし 阪神は8日からヤクルトと直接対決の3連戦だが、8日の試合に敗れるか引き分けで自力優勝の可能性が消滅する。同時にヤクルトには○で優勝マジック11、△で12が点灯する。また、今回の3連戦で阪神が3連勝しても勝率は・58400。ヤクルトは・58407(ゲーム差はマイナス1)のため、阪神が首位に立つことはない。

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