阪神・佐藤輝 自身の人柄が生み出したナイン総立ち祝福 知れば知るほど好きになる
「DeNA2-5阪神」(5日、横浜スタジアム)
長い苦しみの先に最高の笑顔があった。阪神・佐藤輝明内野手(22)が初回2死一、二塁から、60打席ぶりの安打となる右前適時打。一挙4得点の猛攻を演出し、今季7度目の4連勝を導いた。首位・ヤクルトも勝ってゲーム差は「1」のままだが、トンネルを抜けた怪物新人が実りの秋の主役となる。
怪物新人も普通の人間。佐藤輝も2軍調整となり、多少は落ち込んでいたはずだ。しかし、グラウンドに出れば、そんな表情は一切見せない。それどころか、私たち記者とも気さくに接していた。
ウエスタン・中日戦が雨天中止となった9月18日。ナゴヤ球場の室内練習場で打撃練習を行っていた。マシン相手に個別打撃を試みたが、球速をうまく調整できない。私は室内の2階からその様子を凝視していた。
すると、佐藤輝は笑顔で上を見上げ、両手でバツを作り、「中止です」と練習終了を知らせてくれた。「あれはしょうがないですね。僕にはあの機械が合ってなかったです」と笑わせた。
60打席ぶりの一打にナインは総立ちで祝福した。あの光景を生み出したのはテルの人柄。佐藤輝を知れば知るほど、好きになる。(デイリースポーツ・今西大翔)