阪神・佐藤輝、NPBワーストタイ53打席無安打 矢野監督、今後の起用明言せず
「阪神0-2広島」(28日、甲子園球場)
甲子園がため息に包まれた。2点を追う七回1死の第3打席。カウント1-2から島内の155キロ高め直球に、阪神・佐藤輝はフルスイングで応戦したが、豪快にバットは空を切り、三振に仕留められた。
8月22日・中日戦(バンテリン)から9月28日・広島戦(甲子園)にかけて53打席連続無安打。1993年・トーベ(オリックス)のNPB野手最長記録に並ぶなど、背番号8は極度の打撃不振に苦しんでいる。怪物新人に何が起きているのか。共同通信デジタルから後半戦の数字をひもとくと、「スイング率」に変化が生じていたことが分かった。
後半戦スタートの8月13日・広島戦(京セラ)から同21日・中日戦に焦点を当てる。28打数11安打、打率・393、3本塁打と結果を残していた時期のストライクゾーンスイング率が77・1%に対して、ボールゾーンスイング率は40・6%。
無安打記録が続く8月22日以降のスイング率はストライクゾーンが78・7%で、ボールゾーンは34・3%に低下。ボール球に手を出さない=課題とされていたゾーンの見極めはできていたことが実証されている。
矢野監督も「何でもかんでも追いかけなくなった」と評価していたからこそ、再昇格後は結果が出なくてもスタメンで起用してきた。26日の巨人戦でも2四球を選んだ。しかしこの日、島内に空振り三振を喫した打席では初球のど真ん中152キロ直球を簡単に見逃した。そして2球目、ボール球の低め変化球を空振り。結果が出ない焦り、そして迷いからか打つべき球をスイングできず、悪循環に陥ってきたように映る。
指揮官は今後の起用について「そんなん、今のことではわからへん」と明言を避けた。前半戦だけで20発を放ち、快進撃を続けたチームの象徴的存在。待望の一本が飛び出し、輝きを取り戻せば必ずラストスパートの原動力になれるはずだ。
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