阪神・西勇 8度目の正直ついに100勝!自身の代打サンズV撃に感謝 G負けて3差

 チームが勝利して自身の100勝目が決まり、梅野(2)と抱き合って喜ぶ西勇
 5回、西勇は坂倉を打ち取り雄たけびをあげる
 先発し力投する西勇
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 「広島1-4阪神」(10日、マツダスタジアム)

 長く苦しかった節目の1勝だった。阪神・西勇輝投手(30)が5回1失点で今季5勝目をマークし、通算100勝を飾った。初回に1点を失うも、二回以降は粘りの投球を披露。99勝から7度足踏み状態となったが、“8度目の正直”でつかんだ。チームも両リーグ一番乗りとなる60勝。追いすがる2位・ヤクルト、3位・巨人とのゲーム差を広げた。

 長かった。苦悩の日々を乗り越えて、ようやくたどり着いた。5回5安打1失点。信頼する仲間たちと手にした史上140人目の通算100勝。西勇は「入団してから100勝まで勝てると思っていなかった。まずは両親に感謝したい」と格別な時間をかみしめた。

 最大のピンチは1-1の五回2死満塁。初回に同点犠飛を浴びていた坂倉を迎えたが、狙い通り直球で打ち取った瞬間に「ヨッシャ!」と感情を解き放ち、飛球が遊撃・中野のグラブに収まるのを見届けた。直後の攻撃で自身の代打・サンズが決勝の中前適時打。「うれしい限りです」と感謝した。

 99勝目を挙げてから登板7戦勝ちなしで自己ワースト6連敗。心を奮い立たせてくれたのは我が子だった。「息子が家でテレビを見ている時に『パパ楽しそうじゃないよ』と言われていたので。改めてもう一度、楽しんでやろうと」。原点を思い返し、失いかけていた自分を取り戻した。

 忘れられない夜がある。昨年11月10日・巨人戦(甲子園)。全球ストレートで有終の美を飾る藤川(現SA)を見て、全身に熱いものが流れた。両軍、スタンドのファン、そして聖地が引退の花道を歩く球児を見送る。西勇は自身の胸に手を当て、感慨にふけった。

 「自分も球児さんのように、ああやって最後の登板を迎えられるような選手になる」-。気持ちを伝えた相手は、プロに導いてくれた高校時代のコーチ・佐藤良氏(38)=現特別支援学校・伊賀つばさ学園教員。引き際を想像し、改めて限りある現役生活を全力で駆け抜けると誓った。

 前カードのヤクルト3連戦では計28失点。“投壊”で虎党を落胆させたが、西勇が負の流れを止めた。矢野監督も「しっかり粘った勇輝らしいピッチングやった」と賛辞を惜しまない。チームは両リーグ一番乗りで60勝に到達し、2位のヤクルトとのゲーム差は3に広がった。

 平成生まれの通算100勝は巨人・菅野に次いで2人目。かつて自主トレを共にした師匠の背中を追い、今後も白星を積み重ねる。「やっとこうやって100勝、勝てましたので。気兼ねなく、思いっ切り楽しくやっていきたい」。歓喜の美酒を味わうために粉骨砕身、優勝戦線を進む。

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