【岡義朗氏の眼】駆け引きの中で高い技術光った阪神・中野

 「阪神7-3巨人」(3日、甲子園球場)

 駆け引きの中で高い技術を見せてもらった。七回に勝ち越しタイムリーを放った阪神・中野は変化球を待っていたのだろう。変化球を待ちながら直球をカットできる高い技術力が光る打席だったといえる。

 通常なら積極的に打ちにいきたい場面。ところが、中野はストレートを見逃して2ストライクに追い込まれてからも5球目に来た直球をカットして、最後に肩口から来たスライダーをとらえた。

 相手投手・大江の直球の球速は140キロに満たないくらいだ。140キロ後半ならアプローチの仕方は別だっただろう。今の選手なら近本にも見られる技術。将来的に3割打者へのプロセスを感じさせる中野の打席内容だった。

 そして流れを引き寄せたのは、六回の先頭打席で大山が放ったチーム初安打。五回まで完璧に抑えられていた中でのヒットで、ベンチも『いける』という雰囲気になったはず。首位・巨人に見せた価値ある中野と大山の打席だった。

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