阪神・藤浪 118日ぶり先発も4回2/3投げ4失点「自分の力足らず」

 5回、勝ち越しを許し、ぼう然と立ちつくす藤浪(撮影・飯室逸平)
 5回、DeNAに勝ち越しを許し降板する藤浪(右)=撮影・西岡正
 5回、DeNAに勝ち越しを許して降板し、ベンチで頭をかく藤浪(奥)=撮影・西岡正
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 「DeNA5-4阪神」(19日、東京ドーム)

 白球が無情にも外野の芝生に落ちると天を仰いだ。二塁上では両手を挙げて喜ぶ柴田。その姿と対照的に、藤浪は右手で太ももを強くたたき、悔しさをあらわにした。

 同点に追いついた直後の五回だった。序盤に苦しみ、球数は82球を要していた中、最後の力を振り絞る。流れを引き寄せるためには無失点が絶対条件。1死二、三塁からソトを一飛に打ち取った。あと一人…。その一人が遠かった。

 「追いついてもらった直後に打たれてしまったのは、自分の力足らずだと思います」。柴田に153キロ直球をはじき返された。近本も懸命にダイブしたものの、わずかなタイミングの誤差で打球はグラブの下を通過。勝ち越しの2点適時二塁打となり、ここで降板となった。

 118日ぶりの先発で、4回2/3を投げ8安打4失点。「立ち上がりに硬さがありました」と、初回の2失点が重くのしかかった。それでも「三回以降は落ち着いて投げることができた」と、三、四回は自信を持って腕を振った。

 「また藤浪を先発で使いたいなと思ってもらえるように」と意気込んで上がっていたマウンド。4月16日・ヤクルト戦(甲子園)以来となる、先発としての白星をつかむことはできなかった。

 矢野監督は「いいところはもちろんあるんだけど。勝たせるというところで言うと、内容的にはもうちょっと上げてもらわないと困る」と今後に期待。次回に関しては、この日2軍で先発予定だった「ガンケルの状態による」と明言を避けた。

 降板時はうつむきながら、小走りでベンチへ戻った。ただ、スタンドからは温かい拍手が送られた。虎党から「頑張れ!」のエールだ。明確な課題を改善し、つかんだ収穫を生かして、次こそは勝利を祝う拍手を一身に浴びたい。

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