【岡田彰布氏の眼】阪神 敗れたからと言って残り4試合、打順を変えてはいけない
「阪神1-8巨人」(10日、甲子園球場)
阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が10日、本紙の解説を務めた。連勝中ながら4番に大山を戻すなど打順を組み替えて臨んだ一戦だったが、得点はサンズの16号ソロによる1点のみで敗戦。岡田氏は「残り4試合、この打順で戦わないといけない」と指摘した。
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阪神は大幅に打線を入れ替えてこの一戦に臨んだ。9日の第1戦でつながりが戻ってきていたこと、そして連勝中だったことを考えれば正直、驚いた。4番に戻した大山の状態も完全に復調したとは言いがたく、いい流れで来ていた中での組み替えだからだ。
おそらくベンチの考えとしては開幕序盤に勝っていた並びに戻して、前半戦の残り5試合を戦っていくということだろう。そう決めたのであれば、残り試合をきっちりこのメンバーで戦った上で、五輪中断期間に入らなければならない。この日の敗戦を受けてまた組み替えるとなれば、後半戦に向けてチームの形がおかしくなってしまう。
そして勝敗を左右したポイントは、初回がすべてだろう。伊藤将にとっては珍しいと言えるほど、コントロールが悪かった。あれだけストライク、ボールがはっきりしていては厳しい投球になる。
初回無死満塁から岡本和を三振に仕留めたところで行けるかなと思わせたが、ウィーラーの適時打は内角を狙った直球が甘く入った。梶谷の押し出し死球も懐を突こうとした1球が抜けてしまった。
この日の投球を見ていると、本人の中でボールが行かないという意識があったのではないだろうか。だからより強く腕を振ることで球威を戻そうと考えたのだろうが、自分のイメージ以上に力感を出そうとすれば、おのずと制球は乱れてしまう。
これは蓄積疲労が要因だと考えられる。ルーキーが1年間、先発ローテを守っていくというのはやはり難しい。これで5勝5敗となったが、伊藤将にとっては前半戦最後のマウンド。ここから約1カ月の五輪中断期間で調整を重ね、本来の投球を取り戻してほしい。
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