「広島０－５阪神」（３日、マツダスタジアム）

　阪神・マルテのバットが火を噴いた。拙攻に次ぐ拙攻でなかなか流れを呼び込めず、迎えた１点リードの七回１死。コルニエルの１５３キロ直球をフルスイングで捉え、弾丸ライナーで左翼席に突き刺した。

　自己最多を更新する３試合ぶりの１４号ソロで貴重な２点目を奪取。「フェンスを越えてくれて良かった」と胸を張って三塁ベンチに戻ると、坂本から「ＴＨ」の球団ロゴがあしらわれた金色ネックレスを首にかけられた。

　「チームが勢いづくというか、みんなが一つになれる物の一つ」

　米大リーグ・パドレスで同じように本塁打を打った打者にメダルをかける儀式が行われている。坂本が前日の試合前の円陣で手作りの金メダルを出し、本塁打か進塁打を打った選手に“贈呈”すると約束していた。助っ人はメダルを揺らしながら「ラパンパラポーズ」を披露。久々に笑顔の輪が広がり、ナインの心は一つになった。

　八回にはダメ押しの右前適時打を放ち三回の併殺崩れの間に奪った先取点を合わせて２安打３打点の大活躍。リーグ戦再開後からチームが苦しい日々を送る中、マルテは６月１８日・巨人戦以降１４試合に出場して打率・３２０と奮闘している。

　「何番でもやることは変わりなく、しっかり準備したい」。阪神には頼れる助っ人がいる。首位は譲らない。